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助ける理由

「……七が僕を助けるようとしたのか、陥れようとしたのか、どちらの可能性も残った状態ですね。出来れば、助けた方を信じたいのですが……」


 カイトは館の主を疑う方の意見を述べた。メアリとキスからしても、そちらの方が都合が良い。協力関係になってる状態で、七の裏切りはそれに支障が起きてしまう。


「僕が罠に嵌められた際、メアリ様の安否が気になったのですが、無事だった事もありますから」


 七がカイトを罠に嵌めた場合、紙束を隠す事よりも、メアリを襲う方を優先するべきだろう。殺すにしても、その後の方が都合が良いはず。


「そうね。分かっていると思うけど、私の指示ではないわよ」


「分かってます。キス様が私の部屋を訪ねてきた時点で知らされてなかったと思いました」


 キスは七との命約が切れた事で、メアリの部屋に行ったらしい。あまりの慌てように、危険を承知でメアリも部屋を開けたのだろう。


 七の命約が切れたという事は、カイトにも危険が及んでいるはず。キスとは違い、命約を結んでないのだから、生死不明の状態だったわけだ。


「……気になる事がもう一つあるのですが」


 死神は一度否定したが、メアリとキスが零を何故疑わないのか。気になる事ではあるのだが、それをカイトが聞くわけではない。


 メアリが感視を使った可能性がある。日は過ぎており、魔法の回数も回復しているはずだ。


「……知ってる事は全部話しなさいよ」


 キスも従者であるカイトが意見を述べる事に文句を言わなくなった。メアリとの協力関係もあるが、従者がいなくなった事で危険な立場になったのも理由の一つだろう。


「勿論です。その前に……メアリ様、キス様、それに零も一緒に行動を?」


「そうですね。壱達に何かあったのだと分かっていますから。零を呼びに行った時も、彼女は部屋にいました。そこから壱と会うまで、時間はそこまで経過してないはずです」


 キスがメアリを呼びに行った後、共に行動するのは当然だ。キスは七との命約が切れ、狙われたとすれば命を落としかねない。


 零も従者の部屋に休んでいた。花瓶との距離は離れてはいないが、従者の部屋に花はなかったはず。


 七の行動を見ていないのだから、彼女もメアリ達が呼びに来るまでは外に出ていないのだろう。


「そうですよね。でしたら、花瓶に花を挿してくれたのは誰なんでしょうか?」


「私ではないですよ」


 零はすぐに自分ではないと否定してきた。助け舟を出すのであれば、メアリ達にも教えていいはず。

 

 カイトが中にいる事を知らずに挿したとしても、否定する必要もない。


 だとすれば、残るのはゴールド=ゴールと七の二人。


 館の主がカイトを助ける理由がない。だが、七がカイトを罠に嵌めたのでなければ、花を挿したの彼になる。

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