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反逆?

「……はっ? 何でそう思うわけ? 人形も花瓶に置いた意味も分からないでしょ。自分よりも壱を守る事を優先するような性格じゃないわよ」


 七が身の危険を感じたのなら、カイトに後を託すよりも、身代わりにするはずだとキスは考えているようだ。


「それと誰に狙われるのよ。侵入者の二人は中に入れないようしたでしょ。結界がある間は安全なはず。この時に身の危険を感じるわけないわ」


 侵入者の二人は館外にいる。身の安全が保証されたと感じる方が強いはず。


 七に関しては人形が何かされる前に手元に入ったわけだから余計にだ。


「……もしかしてですが、主を疑っているのですか? 彼が何かを見たせいで、狙われる事になった……」


 メアリは零が主であるゴールド=ゴールを疑っているのではと疑問を投げかけた。


 侵入者が館内に入れないのであれば、メアリ達以外にいるのは、姿を隠している館の主しかいない。


 零もカイト同様、侵入者に狙われている。館外に出たのは主の指示だった事もある。


 その時、七だけが館に残っている。そこで何か目撃した可能性がある。もしくは、見られたとゴールド=ゴールが勘違いしたのか。


「……なるほどね。その可能性があるのを忘れてたわ。侵入者を呼んだのがゴールド=ゴールかもしれないのよね。アンタも襲われた事で、主に裏切られたと思ったんでしょ」


 十の死体発見時、零はメアリの感視の魔法で、館の主から侵入者に関しての情報を得てないと、嘘を言ってないと判断された。


 今の段階では館の主と侵入者が繋がっていると考えてもおかしくはない状況だ。


 零が主を疑うようになっても仕方がない。従者が魔法使いに反感を持つ自体になっているのではないだろうか。


「裏切るつもりはありません。事実を言っただけです。花瓶に人形を置く事や魔導具の紙束を持っていく事も。七を消したまでは分かりませんが」


 零は主の行動の全てを把握しているわけではない。主がその場から動かずにいると聞いていたのもある。だが、状況によって変化したのであれば別だろう。


 侵入者をカイトと零にけしかけながらも、誰も死なずにいた事がそれだったかもしれない。


 七の人形の事も、カイトは花瓶にあったのが焼却炉にあった物だとしたが、館の主の仕業であるなら、それと同じ人形を用意する事が出来る。館の主には予知の魔法があるのだから。


『……このタイミングで館の主を出すのか? 主よりも彼女を疑う事をしないのか?』


 メアリとキスは零に疑いを持たず、零の意見を聞いている。主に反した言葉を言った事で、そんな意識が向かないのだろうか。


『いや……彼女の体では無理なのか』


 七が姿を消した事に零が関与している。それも館の主の指示である可能性もある。


 七がカイトを罠に嵌めたのも利用されただけだとしよう。彼の始末を零がするにしても、片腕を怪我した状態。


 お茶の用意もカイトが手伝わなければならないぐらいだ。七を相手に出来るわけがない。返り討ちになるのが関の山だ。

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