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疑惑

「それは……あるかもしれませんが」


 メアリは三を信じたい様子だった。感視を使用時も怪しい感じがしなかったのもあるのだろう。


 ただし、感視はその場の出来事の感情を見る。それも嘘を完全に見分ける事が出来るわけではない。メアリの読み違いもある。


「今となっては分からないけど、そう考えた方が筋は通るわ。次に花瓶の中にあった鍵と人形ね。これはどういう事だと思う? アンタが人形を七に渡したのは全員が見てるわけ。その人形なのよね?」


 キスはカイトに尋ねた。焼却炉から人形を拾ったのはカイトであり、彼が一番それを見ているはずだからだ。


「……そうだと思います。汚れた部分を真似るのは無理かと。七が花瓶の中に鍵と一緒に入れたのではないでしょうか?」


 七の人形はゴミが溜まった焼却炉にあったせいで、汚れた部分がある。人形がもう一つあっても、最初から入っていたとしても、そこは真似する事は出来ない。不可能に近いのではないだろうか。


「彼も一度入って、壱みたいに花で脱出したわけですね」


 カイトは花瓶の魔導具から、どう脱出したのかをメアリ達に説明している。


「そこも気になるところなのよ。人形は七が所持していたとはいえ、鍵は何処で手に入れたのかよ。私に教えず、隠し持っていたという事よね」


「それは花瓶の中でカイトが見つけたわけですが、七が置いたとは限らないのではないですか? 最初から隠されていたのかもしれません」


 人形を置いたのは七であったとして、鍵まで置いたとは限らない。


「だとしたら、アイツは何故鍵を中に放置したままにしたわけ? 何をするにしても持ち帰るべきでしょ」


 七がキスのためにカイトを嵌めたのであれば、鍵を花瓶に置いておく必要はない。最初から中にあったのなら、回収しているはずだ。


 そうしなかったのは、カイトと共に隠しておきたかったからか。


「あの……キス様も七を疑っているようですが、もう一つ可能性がありませんか?」


 主であるキスが従者の七を疑う中、零が別の意見を提示してきた。


「花瓶の魔導具に関して、七がその情報を前から知っていた事も気になるところなんですが」


「当然、私はそれを七に教えた事はないわよ。私以前の主から……というのはあるかもしれないけど、余計に疑うべきでしょ」


 キスが七に魔導具に関しての知識、読み方を教えた事はないようだ。あるとすれば、前の主によって教えられたのか。それに関してもキスは七に聞かされてない事になる。


 黙っていた理由は何か。魔導具の知識、文字を読む事が出来るだけで、キスの七に対する評価は高くなっていたはず。


「彼が身の危険を感じて、助かるのは無理だと判断したとすれば、どうでしょうか? 花瓶の中は見つからず、安全だと踏んで、壱をそこへ誘導したとか」

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