表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
307/491

四日目

「壱!! 無事だったのですね。……本当に良かった。貴方もいなくなったら」


 カイトがメアリの部屋に行くため、死角となる角から階段の方へ姿を見せると、メアリとキスがその場にいた。彼女二人だけでなく、休んでいたはずの零も一緒のようだ。


 メアリはカイトの姿を見て、彼の元へと駆け寄ってくる。


 カイトが姿を消して、何時間経過しているのか分からない。入口の結界が消えていない様子から、一日は経過していないだろう。


 魔法使い、従者それぞれが自由な時間のはずが、外に出ているのはどういう事なのか。


 メアリと零は体を休めていたはず。キスも安易に部屋から出るとは思えない。


『……どうやら半日……四日目に入っているようだ。大時計が三時を指している』


 カイトの視線はメアリに向けられているのだが、キスや零の姿を確認した際、大時計も視界内に入り、死神がそれを捉えた。


 大時計の針が三時を指しているのは、昼の十五時というのはあり得ない。カイトと七が魔導具を調べ始めた時には、その時間を過ぎていたからだ。


 カイトだけでなく、死神もそんなに時間が経過しているとは思っていなかった。花瓶の中と外では時間の流れが違っていたらしい。


「アンタは今まで何処に消えてわけ? それに……七は一体どうなったのかを教えなさい。一緒に行動していた事は、メアリから聞いたわ。コイツも知らないみたいだし」


「七が消えたんですか!? てっきり……」


 カイトは七がメアリを襲うつもりでいると考えていた。だが、実際に起きたのは、七自身の姿が消えたらしい。メアリが言った『貴方も』というのは、そういう事なのだろう。


「てっきり? 何か知ってるわけね。……七と命約が切れたのよ」


 キスが苛立っているのは、七の姿が消えただけでなく、命約が切れている事に他ならない。そうでなければ、こんな時間だ。ゆっくり眠りについているはず。


「私とメアリは協力関係にある。アンタがやったわけじゃないわよね」


 入口に結界が張られている以上、侵入者が館内に入るのは難しい。とはいえ、別の方法があれば分からない。


 だが、七に何か出来た人物がいるとすれば、一番にカイトが候補に上がってしまう。


「違います。従者同士の争いは禁止されてます。メアリ様に罰が向けられるような事はしません」


「……そうよね。アンタ達に関してはそうだわ」


 カイトのその言葉で苛つきが少し収まり、キスは納得する。これまでのメアリ達の行動を見れば、納得するところなのだろう。


「それでは……一体何があったのかを話してください」


 メアリも落ち着き、カイトに今までの経緯を説明するように指示してきた。


「メアリ様。立ち話をするよりも、食堂で話をしてはいかがでしょうか? 彼も何かあったはずです。お茶も用意します」


 立ち話よりも食堂で座り、ゆっくり話す事を零は提案してきた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ