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幕間 ー8ー

「三になるのだろうが、彼女も殺されてしまっているからな」


 アルカイズを罠に嵌めたのは三である可能性が一番高い。


 理由として、まずはアルカイズが魔法で気配を消して、姿を見えなくしていた事。これはキスが目撃しただけでなく、三もそう答えている。


 その時、一緒に行動していたのは彼女だ。別行動となったのは、アルカイズを花瓶に閉じ込めた後。


 花瓶を覗かせるのも、カイトが花瓶を覗いた理由と同じだと考える事も出来る。中に何かがあり、下にしても落ちてこない。


 それを三が試して無理だった事で、アルカイズが調べたのかもしれない。


 名前を呼ぶ事もそうだ。彼は気配を消した状態で行動していたはず。ディアナや他の魔法使いが名前を呼んだとして、返事をするだろうか。


 それを返す相手となれば、従者である三でしかありえない。従者に対して、ろくな返事もしない事があってもおかしくはないが。


「彼女はアルカイズを嫌っていた。だが、元の生活には戻りたくなかったはずだが」


 だとしても、侵入者の魔法使いが彼女を引き取れば、その理由は解消させる。


 だが、それだけでは問題は解決していない。命約だ。アルカイズと命約を結んでいる限り、彼女は身代わりになってしまう。


 それを消す方法は確かにはある。魔法使いと従者同士を交換時に必要なはずだ。主である魔法使いが解除するのだろう。


「命約を解除する方法ではなく、効果を無くすと考えるべきか? そのためにも花瓶の中に入れたのか?」


 命約は主が死ぬ事で解除される。それは老衰や病気等による死による物だ。


 発動しないのは同じ箇所に、同じ武器で攻撃される事。それは近くに命約を結んだ従者が一人しかいない時だ。それは簡単な事ではないだろう。


 もう一つが距離だ。距離が離れ過ぎていると、命約は発動しない。そのために館の主は、従者を一人だけと限定したと思われる。


 距離といっても館の主が持つ敷地内、森全体には許容範囲内ではある。


 ディアナやアルカイズ程の魔法使いであれば、それ以上あってもおかしくはない。


 だが、異空間ともなればどうなるのか。


 カイトが花瓶を覗いた時、底が見えなかった。死神が見えたのは彼女の目が特別だからだろう。


 距離感を狂わせる。そうだとすれば、命約が発動しない可能性があるのではないか。


 アルカイズの体が濡れており、溺死状態になっていたのも、実は三が死ぬより前だった可能性がある。


 三とアルカイズの死による時間差を考えると、そちらの方が腑に落ちる。


 彼女が溺れるような状態になっておらず、服も濡れてななかったのは、命約が発動しなかったため。


 花瓶の中に入れて、三自身に何も起きなかった事で、命約の効果が消えたのが分かったはず。

 

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