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幕間 ー7ー


「擬似的世界は壊れていない。アイツが直接壊しに来る事はない……であれば、カイトが意識を失っただけか」


 アインと同じ死神であるツヴァイの干渉により、カイトとの繋がりが途切れた事があったが、今回は違うようだ。


 近くにツヴァイの気配はない。彼女はアインに事件による宣戦布告をしただけで、彼女自身が直接手を降す事はない。


 彼女が手駒を作り、その世界にあった殺人事件の案を授けるだけ。


 今回だけが違っているという事はないだろう。


「あの感じは……花瓶の中に吸い込まれたのか。だが、何がスイッチになっていた?」


 花瓶の中を見るのも含まれているだろうが、それだけではないはず。


 カイトは花瓶から目が離せなくなり、動けない状態になっていたが、吸い込まれるまでにはなっていなかった。


「七が名前を呼び、それをカイトが返事したせいなのか」


 タイミングを考えると、七が名前を呼んだ事が怪しい。カイトは何者かの視線を感じていた。


 その視線が七の可能性がある。最初に食堂へ向かったのも、姿を見えなくさせるためかもしれない。


「カイトが目覚めた時、どうなっているかによって、彼を怪しむべきかが決まるか」


 カイトが姿を消す瞬間を七は目にしたはず。それを助けるための行動を取っているかどうか。


 花瓶の中から外に出ていれば良いが、そうでなければ……


 メアリはカイトが彼と行動を共にしているのは知っているはず。七は彼女に助けを求めるべきだろう。メアリとカイトの関係を知っていれば、余計にだ。


「だとしても、カイトが目を覚ましてからの問題だ。花瓶の魔導具の効果が中に吸い込み、閉じ込める事であるのなら、考察出来る数が増えるのは確かだ」


 花瓶の魔導具の効果がそれならば、謎の一つが解ける。


 それはアルカイズが殺されるまで、何処に隠れていたのか。いや、閉じ込められていたのか。


 カイトが花瓶に呑み込まれていた場合、それと同一とされる魔導具がアルカイズの死体の側にあったとなれば、考えられるのは一つ。


 アルカイズは花瓶の中に閉じ込められていた。メアリ達も無理に魔導具の中を覗き込もうとはしないだろう。


 もしかしたら、花瓶の中からでは、外へ声が届かない可能性もある。


「これがアルカイズ自身の意思で花瓶の中に隠れたのか。別だった場合、一番怪しいのは……」


 アルカイズが侵入者から身を隠すため、敢えて花瓶の中に隠れたのなら問題はない。


 だが、そうでなく、誰かの仕業だった場合。


 まずは彼に花瓶を覗かせなければならない。そして、名前を呼び、返事を返す事も条件に入れるとしよう。

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