表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
289/491

二つの大時計

「七が絵を確認するのなら、僕は花瓶、壺を見ていきます」


「アルカイズ様の側にあった、割れた花瓶だな。あれがアルカイズ様の死に関係しているのなら、調べる事に損はないだろう」


 七はキス達と共に絵画室には入らなかったが、アルカイズの死体をディアナの部屋に運ぶ際、その惨状を目にしている。


 割れた花瓶がアルカイズの死に関係しているのであれば、調べる事に損はないと、七も同意している。


 魔法使いの侵入者がアルカイズを殺したのではなく、従者が手にかけた可能性がある。その方法を知るのも重要だ。


「はい。魔導具といっても、魔力が補充されてないかと思います。物に触れていくんですよね」


 魔導具に魔力を補充しているのは、生活するために必要な物。調理場や浴室やトイレ。館の明かり等。


 甲冑や外に置いてある像。結界もそうだが、守りに魔力を使ってない。下手に魔力を使用しないという事だ。


「そうだ。絵画室の扉のような変化があれば、そこに何かあると、分かりやすくて助かるのだが」


 絵画室の扉に気付いたのも、絵に変化があったからだ。


「まずは入口付近だ。左右の大時計をどちらか一つずつ調べるぞ」


 カイトと七が最初に調べるのは入口付近。食堂、浴室、トイレ、従者の部屋、倉庫等、全体が見渡せる場所だ。


 そこで一番に目に入るのはゴールド=ゴールの絵だが、左右の大時計も目立つ内に入る。


 零はその一つから薬を取り出していた。物入れの機能も有しているのが分かるが、それ以外に何かあるのか。


 七は絵や壺等よりも先に調べるようで、彼女とは逆の大時計を見始めた。


 必然的にカイトが見るのは薬があった側の大時計を調べる事に。


『時計が示す針は同じだな。振り子も機能としていた。その奥に隠されているのが薬だったな』


 死神が言っているのは七が調べている大時計の方だ。カイト側と遜色なく、時計の針が別になっているわけでもない。振り子の速さも同じだ。


 彼女は何度も視界に入る事で記憶している。下手に違う動きをしていれば、すぐに分かるだろう。


 カイトと死神が目にしてないのは振り子の奥部分なのだが、零はそこから薬を取り出していているのは見ている。


 それ以外の物はないだろう。確認のために調べてみるが、小さな棚があるのが見えるだけ。そこに薬が隠されていたのだろう。


『何かあるとすれば、七が見ている大時計の方だな。零も一つの時計に薬が置いてあると言っていた。もう片方には何があるかだ。勿論、魔力次第で、この時計も変化するかもしれないのだろ?』


 零が大時計から薬を取る際に、片方の時計にだけあると告げていた。


 振り子の奥となると、見つけにくい場所であり、そこを教えるのが謎解きの報酬だった可能性もある。


 だが、彼女は治療を優先したとも考えられるのではないか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ