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魔法の言葉

『……そうだったな。だが、それなりの報酬があるからこそ、共犯になる事も考えられる。その事は忘れるな』


「分かってはいるのですが、協力する理由……それが分からないと、従者達を怪しむのは。魔法使いに嫌気をさしてるのなら、余計に」


 死神もこの場では折れ、警告だけで済ました。カイトの言い分も理解出来るからだ。


 従者は従者以前の生活に戻りたくない。


 協力を申し出たのがキスとは別の魔法使いだったとして、信用出来るのか。結局は同じであり、利用されるだけで終わる。


 主が入れ替わるのを経験しているからこそ、頭に思い浮かべるのではないだろうか。


 そうなると、零の言葉が気になってくる。魔法使いと従者の立場が逆転する。


 虐げられている従者達には魔法の言葉のように聞こえてくるだろう。


 だが、零を信じるのであれば、カイト以外にこの件に関しては話していない。それは予知に過ぎず、魔法使いからの言葉でもある。そんな話を簡単に鵜呑みに出来るのか。


 自分以外の従者が先に殺されているのだ。


「先に一階に置いてある物を調べるぞ。私達だけでは魔導具と判別は難しいだろうが、一つずつだ。気になる物があれば、二人で見るのもありだ。その時は私も声掛けをする」


「二階には甲冑もあるのですが。そちらは調べないのですか?」


 七は二階に置いてある物ではなく、一階を調べるようだ。二階の廊下には甲冑があり、怪しい物もある。


「そちらは先にキス様と調べている。襲い掛かってくる可能性もあったからな。現に今まで何も起きていない。一階にするのは主達の邪魔をしないためだ」


 身の安全を考えるなら、主達が近くにいる二階からの方がいいはずだが、メアリに伝えるのを禁じるぐらいの徹底ぶりだ。


 その理由として、主の邪魔をしないとためならば、正当性がある。カイトとしても、メアリにきちんと休んで貰いたい。


「そうですね。七が気になっている物はあったりするのですか?」


 カイトと七は一階へ。気になる物を別々で調べる方が効率がいいはず。その中で気になる物を、診てもらう形にする。


「気になった物に声掛けをするんですよね? 行動を共にするにあたり、視界内での動いた方がいいとも思いますし」


「絵だ。食堂にある絵も謎解きに使用し、絵画室の入口も絵だったからな。それが館に散りばめられているのに意味があるのかどうか」


 口に出す必要がないと断られてもおかしくなかったのだが、七は即座に答えた。


 確かに絵関連に意味があるのかは気になるところだ。絵画室の肖像画の事もある。謎解きに使用してる事も、七の解答に十分な理由がある。


 彼は二階と一階の踊り場であの絵を睨みつける。それはゴールド=ゴールの自画像。


 この館の主ではなく、金を魔法で生み出したとされる有名な魔法使い。


 この絵は魔導具ではなさそうだが、何か意味があってもおかしくはない。

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