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魔導具調査

「すみません!! すぐに終わらせますので」


 七が来た以上、メアリを待たせるという事になる。カイトは急いで体を拭き、新しい燕尾服に着替えた。汚れた服と斧を持ち、浴室を出る。


 そういえば、カイトは零と武器を交換する事を忘れていた。彼女が休んでいるのであれば、明日までは入れ替えるのは無理だろう。


 今の時点で武器は必要ないのだが、念には念を。


「お、お待たせしました」


「さっさと行くぞ。こっちとしては失敗を取り返さなければならない。新たな情報を手に入れなければ駄目だからな」


 七が言っている失敗というのは、入口の鍵が消失した事だろう。彼だけの落ち度ではないのだが、最後に確認したのが七であったのであれば、キスが咎めるのも仕方がない。


「……新たな情報。書斎の謎解きの事を彼に伝えるのはどうでしょうか? どう思うのかも聞けますし」


 カイトは七に先程の考察を伝えるのかを死神に尋ねた。彼自身、手柄に興味がなく、七が考えた事にしても良いと思っているのかもしれない。


『……彼はプライドが高そうだ。逆に反感を買うぞ。主同士が協力関係である以上は止めておいた方がいい』


 七の主であるキスがあの性格だ。彼もその気質であってもおかしくない。下手に刺激すれば、対抗意識を持つ可能性もある。協力関係であるのだから、それは危険だ。


「どうした?」


「いえ……何でもありません」


 カイトと死神との会話後、七にとっては彼が変に押し黙ったように感じたのだろう。


「……七は」


 カイトは三や零が自分に聞いてきたように、主をどう思っているのかを聞こうとした。だが、相手が逆に聞いてくるのでは? と踏み止まる。


 零は七に何も尋ねてないと言っていたが、彼まで聞いてくるのであれば、何かあると考えた方がいいからだ。


「何を調べるつもりなのですか? それ次第で僕は別に動く事が出来るので」


 カイトは七が取る今後の行動を尋ねる事に切り替えた。


 一階か、二階か。ピアノ室と書斎の謎解きが出来ない以上、今まで調べた部屋を再度確認するのか。各部屋の鍵はキスやメアリから受け取っている。零が持っていた鍵も、外に出る時にキスの手に渡っている。


「は、話したくないのであれば、別に構わ」


「館にある魔導具を調べていこうと思っている。絵画室のような絵が扉になっていたように、仕掛けがあってもおかしくないからな」


 七は黙るかと思ったが、カイトの質問を素直に答えた。


 キスやメアリが側にいない中で、魔導具を調べるのは危険な行為ではある。


 だが、探索を何度も続けていて、何も見つかってない。アルカイズすらも見つからなかったぐらいだ。


 そうなると魔導具関連を調べていく他ない。それだけの情報を七は手にしたいのだろう。


「……共にやっても構わないぞ」


 しかも、七から協力の申し出……ではなく、行動を共にする事を許した。


 キスは何も言わなかっただけで、却下したわけではない。魔導具を調べるにあたり、手は必要だと考えたのだろうか。

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