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回復

「それは……そうですが……キス様達はどうするのですか? ピアノ室の謎解きは七と二人で解決するつもりなのですか?」


 メアリとカイトは万全の状態でないが、キスと七は違う。二人で謎解きをするのは可能だ。


「協力関係を結んでいるわけだし、謎解きをせず、私達も休むわ。結界を二重に張った理由の一つでもあるから」


 魔法を使い切る事で、メアリと同じ条件に。魔法回数が一つでも残っていたら、謎解きをする危険性が下がるからだ。


「アンタも一日ぐらいは休みなさい。そんな状態で動いても仕方ないわ。夕食も別に用意しなくていい。携帯食ぐらいはあるから」


 キスはメアリだけでなく、零も館の管理を休ませ、回復するように言っている。


 それは零の疑いが薄まったのもあるが、彼女自身が館の主に対して、疑いを持ったとキスが感じ取ったからか。


 結界を張る許可を許したのもあり、侵入者に殺されそうになった事もある。


 もしくは、キスには別の思惑でもあるのか。


「それで主に魔法で回復して貰ったら良いのよ」


 ゴールド=ゴールが持つ回復魔法。零が怪我をしても、回復する事は出来るはず。


 零の後に付いていき、ゴールド=ゴールの居場所を突き止める。そこまでは無理でも、回復魔法が確かに存在するかを知れる状態ではある。キスとメアリもそれを目の前にした事はないのだ。


「それは無理です。私も主の居場所を知りません。少しの魔力を私に使うなんて事もないかと」


 殺そうとした相手に回復魔法を使うのかどうか。館の主が疑いを晴らすのであれば、零を回復すべきではある。


 だが、彼女は居場所を知らず、目の前に現れる事もない。


「……言ってみただけよ。従者は捨て駒。それはゴールド=ゴールも同じって事でしょ。壱に関してはメアリに任せるとして、七は自分がどうするか決めなさい。ミスを取り返すのか。体を休めるのか。アイツの仕事を引き受けるのか」


 七のミスというのは、侵入者に鍵を壊された事だろう。それだけでなく、人形が何もされなかった事で、どうなるかの検証を含めているのかもしれない。


 それはある意味で、アルカイズが三にした事と同じではある。


「零の仕事をしつつ、探索を続けます」


「私の従者であれば、そう言うわよね。入れる部屋も増えた事だし。けど、謎解きはしては駄目だから。下手に手を出して、死ぬのは許さないわよ」


 七は休まず、探索を継続。謎解きは禁止されたが、書斎や絵画室、調合室に入る事は出来る。謎解きのヒントを見つけろと、暗に言っているのだ。


「まぁ……先に少し休憩を取っても構わないわ。侵入者がいないとはいえ、従者の部屋を警戒するなら、客室を使わせて貰いたいわね」


 従者の部屋でカイト達は魔導具によって眠らされたと考えられているが、解決はされていない。


 その場で体を休めるにしても、気持ち的に難しいだろう。

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