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南京錠

「そうよ。入口の鍵が壊された……消えたというのが合ってるわね。それを直せない以上、私達で入口に結界を張るしかないわ。館にいた侵入者も外に出た事を考えると、今がチャンスでもあるわけ」


 カイトと零が外に出て、七が施錠した後、赤の侵入者に鍵を壊され、二人に攻撃を仕掛けてきた。


 赤の侵入者は鍵をどのような状態にしたのか。


 入口の扉が壊されたわけではなかった。それはこの館に戻ってきた時、目にすれば分かる事だ。


 鍵というのは、本来ある入口の鍵とは別であり、零が用意した複数の物だろう。


 一つだけでは魔法で解錠され、侵入を許してしまうからだ。


「……無くなった? 侵入者が持っていっても」


 錠前、南京錠そのものが消えている。それがあった箇所に少しの傷跡が残っている。にしても、南京錠をあの剣で切る事が出来たのか。


 魔法使いの加護を破った剣ではあるが、それは十分な力が必要だったはず。何度もすれば、キス達が水晶玉に意識を集中していたとしても気付くはずなのだが。


 南京錠自体が消えている事に意味があるのかもしれない。


「侵入者二人が外に出たのなら、入口に結界を張れば、館内は安全が確保されますね。ですが、ここは」


 この館はゴールド=ゴールが所有している。勝手に結界を張る事は許されるのか。現状、この敷地内に結界はない。それをするほどの魔力が館の主にはないからだ。


「そんな事は知ってるわ。けど、こっちも命が掛かってるの。ゴールド=ゴールが結界を張れないのなら、私達でやっても文句はないはずよ。全体にしようって話でもないんだから」


 入口の鍵が壊れてしまい、その代わりに結界を張る。自身の命に関わるのだから、当然の行為だ。しかも、普通に鍵をするよりも強固であり、安全だろう。


 キスとメアリからすれば、魔法を一回消費しているのだから、何をしても構わないはずだ。


「……そうですね。壱達を守るためには必要な事です」


 メアリもカイトに危険が及びないためにも、キスの案に乗る事を選んだ。


 彼女の目的はカイトの呪いの回復であり、彼自身が殺されては意味がない。『壱達』と七を含める言葉にしたのも本音ではありそうだ。


 二人はそう決めたが、零の発言を気にするように、彼女の方へ視線を向ける。


 零が二人の案に反対するのか。館の主であれば、所有物に結界を張る事を却下しそうではある。


 だが、零は館の管理を一任されている。それを考えると、彼女に決定権があるようにも思える。


 侵入者達はメアリ達だけではなく、彼女も殺そうとしたのであれば、防衛策を強化する必要はあるはずだ。

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