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説明

『良い提案だな。君達が食事をしている間、主達は従者なしの無防備な状態だ。特にメアリにとっては危険だからな』


 命約は主と従者が離れていると意味を成さないが、館内であれば問題はない。だが、カイトとメアリには命約がない。この事をディアナ達は知らず、この提案は怪しまれる可能性もゼロではない。


 ただ、メアリは自身の保身のために言ったわけではないのは、カイトがよく知っている。


『君がそう思うなら、そうなのだろうな。私としては、継承権の説明は聞いておきたい。他の主達がこの提案を飲んでくれたらいいが』


 ここは死神が作った擬似的世界のはずだが、人の操作が出来ないのか、するつもりはないのかは分からない。


「時間は有効に使うべきだな。聴いた話を説明するより、直接聴いた方が頭に入りやすい。伝聞は間違いが発生する時もあるか」


「そうですね。メアリの提案を受けてもいいと思うのだけど」


 アルカイズとディアナは賛成。問題なのはキス。多数決なら決定なのだが、彼女が反対意見なら、メアリとの溝が深まる。賛成した二人を敵視する可能性もある。今回だけでなく、二度続けてメアリの肩を持つわけだからだ。


「何……私が反対すると思ったわけ? 構わないわよ。メアリの意見を全部反対するほど、馬鹿じゃないわ。従者が聞かない方がいいのなら、話は別だけどね」


 意外にもキスはメアリの意見を支持。そして、自身の従者である七に視線を一度送った後、零の方に目を向けた。


 継承権の説明の中に魔法使いのみが知る事が許されている内容が含まれているかの確認。それによって、権利を剥奪される可能性とあるからだろう。


「問題ありません。従者方にも聞いて頂いた方がいいかと。それでは彼等の料理を運ばしてもらいます」


「それは本人達に運ばせたらいいわ。椅子は自由に使っても構わないけど、私達から少し離れなさい」


 キスは従者に用意された料理を本人達に運ばせ、テーブルに並んでいた椅子を抜き、少し離れた場所で食べるよう指示した。


 それに従者全員が従うのは、主達が反対しないため。勿論、そこにカイトも含まれる。


 この場で食事をするのは許しても、同じテーブルで食べるまでにはいかないらしい。流石にメアリもこれ以上は何も言えずにいるようだ。


「これでいいでしょ? アンタもさっさと説明を始めてちょうだい」


 カイト達が料理を口に運んだところで、キスは零に継承権の説明を求めた。


「分かりました。今から継承権の説明をさせて頂きます。継承権を受け取れるのは当然一人だけです。そして、その内容は至ってシンプル。主であるゴールド=ゴールを見つけてる事です」


 継承権争奪方法は館の主であるゴールド=ゴール捜索。彼がメアリ達に会わなかった理由がこれだ。継承の権利があるのは一人だけなのも当然ではあるのだろう。

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