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小屋

「今のところ、館が壊された箇所は見つからないですね。罠が設置されているわけでも無さそうです」


「とはいえ、見た目は変わってなくても、像は壊されてるわね。魔力が注げなくなってるわ」


 カイト達四人は館周囲、残り半周の見回りを続行。


 先頭はカイトと零。彼女が怪我をしていても、そこは変わらない。館にある罠の位置を知っているのは彼女になるのだから、間違った配置ではない。


 零が装備していた斧は、カイトが装備していたナイフと交換して運んでいる。小型の斧ではあるが、それなりの重さがある事を彼も実感している。彼女はナイフを腰に添え、赤の侵入者の左腕を持っている。


 キスとメアリはその後方。カイトが零に肩を貸してるように、キスも雑ではあるが、メアリの手と手を繋いでいる。


 零は館を外観を見るが、壊された箇所は無し。侵入者が館の主の従者であれば、無闇に壊す事は出来ないのかもしれない。


 逆に立場が同じであれば、侵入するために壊す事をゴールド=ゴールも許可してもおかしくはないだろう。


 キスはカイトと零の足を止めさせ、機能していない像を調べる。魔力を注ぎ込み、侵入者対策に使えるのかを確認しているようだ。


 だが、像に魔力がないのではなく、内部が壊れているようだ。


 それをしたのは侵入者なのか。キス達が館内にいる間に、侵入者も像に魔力を注入する事は出来たはず。


 そうすれば、彼女達が外に出てきた時に攻撃をしたかもしれない。


 その像は主の魔力しか使えず、他の魔法使いが魔力を注ぎ込んだ場合、壊れてしまう。それならば、納得は出来る。


「あれが焼却炉のある小屋です」


 焼却炉専用に小屋が用意されており、それは館と隣合わせになっている。


 外から小さな煙突のような物が二つ見える。大きさ的には客室と同じぐらいか。一つではないのは、調理場に煙が行かないように多くの煙をそこから出すためだろうか。


 零はカイトから離れ、先に小屋の方に向かっていく。


「あの……一緒に行くのは駄目ですか。片腕でキツイはずです」


 カイトは再度零に近寄り、赤の侵入者の左腕を取る。彼女の片方の腕には矢が刺さった状態であり、扉を開けるのも難しい。


「……ゴミ捨て場ですよ。汚いし、臭いもあります。流石に手伝って貰うのは」


「そこは気にしません。後で浴室を使わせて貰えたら良いので」


 零が調理場で捨てた物を確認するためには、小屋に入る必要がある。


 逆に汚さや臭いだけの理由で拒否するのであれば、何かの目的があると疑う要素が出てくる。


『大丈夫だろう。こういう場合、彼女達が協力してくれる』


「壱の言う通りです。手伝わせてやってください。その腕では扉も上手く開けれないはずです」


「これは私達の命令ね。中に何か仕掛けられてた場合、アンタ一人では無理よ」


 メアリは純粋に零の体を心配して。キスはカイトに協力させ、中を確認させるつもりなのだろう。

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