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「アイツは入口で待機させてるわ。私達が離れている間に、館へ入られるわけにもいかないでしょ。中から鍵が壊されてたのもあるし。そこは私の落ち度でもあるわ。七を食堂ではなく、入口で待たせるべきだったから」


 七は館前で待機して、侵入者を中に入るのを阻止する役目らしい。


 キスの説明で、侵入者が最初から外に二人いたのではなく、館内から外に出た事が分かった。


 彼女は自身の身を守るため、七を食堂で待機させた事で、入口の鍵を中から壊される事になるとは思わなかったようだ。それだけ水晶玉の映像を見る事に集中していたのだろう。


「彼は無事なんですね。それは良かった。けど、一人するのは危険なのではないでしょうか?」


「そこまで離れてないから大丈夫よ。私達を避けるのであれば、遠回りするしかないでしょ。さっさとコイツを館に連れて行けばいいわけ……」


 黒の侵入者が一人になった七を襲う可能性があり、キスは赤の侵入者を尋問するため、館に連れて行く事に。鎖は赤の侵入者の腕に絡まり、それを壊せない以上、為す術もないはずだった。


 だが、抜け道が一つだけあった。普通の人であれば、実行するのを躊躇うだろう。


「自身の腕を斬った……」


 キスも目を疑った。赤の従者は自身の左腕を剣で切り落としたのだ。自身への攻撃だった事もあり、加護が発動しなかったのかもしれない。


 このまま捕まったままでは、主について自白すさせられるか、殺されるか。


 だとすれば、腕の一つで済むのなら、それを切り落とす。頭で分かっていても行動に移せるかどうか。


 赤の侵入者は鎖が絡まった左腕が無くなった以上、体は自由になった。


 近くにはメアリと零がいて、剣を振る事は出来る。


 それに対して、キスとメアリは魔法が使えるのか。突然の出来事で、二人は反応出来ていない。カイトと零もそうだ。


 だが、赤の侵入者が選んだ行動は逃亡。そのために剣をキスに向けて、投げ込んだ。


 キスが鎖魔法を切り上げ、次の魔法を唱えさせないためだ。彼女も身を守るために詠唱よりも回避を選ぶ。


「この!! ……」


 赤の侵入者が投げた剣は、キスの顔の横を通り過ぎる。左腕が無くなったせいで、体勢がいつもと違う感覚だったのだろう。


 キスはもう一度魔法を使おうとしたが、途中で止めてしまった。


 彼女はすでに魔法を二回使用している。七相手に借目を使い、先程の鎖の魔法だ。


 当然、メアリも同じ。感視もそうだが、カイトの魔力を吸い上げるための魔法を使っている。


 二人共、魔法を使うのに躊躇いが出てしまった。

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