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戦闘

「……っと!! ごめんなさい」


 零が後退した事により、カイトとぶつかってしまった。


 赤の侵入者が零に攻撃を仕掛け、それを避けた結果だ。


 そのせいで彼は少し体勢を崩し、黒の侵入者から目を離してしまった。その隙は明らかにも大きく、相手にしてはチャンスになる。


「だ、大丈夫です。だけど、一体何処に」


『森の中に移動した。君と零が会話している中、横に少しずつ動いていたようだ。逃げるため……というより、姿を隠す事で、遠くから狙うつもりか』


 黒の侵入者は自身の身の安全を考えて、隠れてからの攻撃を選び、森の中へ。


 ボウガンの矢を再装填するのか、魔法使いが従者の変装をしていたのであれば、攻撃魔法を詠唱するにも時間が必要なのだろう。


 だが、カイトと零の二人がいる中、赤の侵入者を残すのはどうなのか。


 逆に赤の侵入者は黒の侵入者を逃がすため、姿を現したのか。


 現に攻撃を仕掛けた事で、零とカイトを衝突され、隙を作ったわけだが。


『だからといって、奴を追いかけるな。そちらの方が危険だ。彼女を一人にするわけにはいかないぞ。私が音で森の中の攻撃を警戒する。先にこっちの侵入者を捕まえろ』


 カイトは零と対峙していた赤の侵入者を見る事に。


 彼女の言う通り、赤の燕尾服を身に纏い、赤のマスクを装着している。


 黒の侵入者もそうだが、顔を見られたくないのだろう。それがメアリやキスの従者でない証拠になるのではないだろうか。


 魔法使いは色による区別があるのだから、服の色で誰かの従者であるのか判断をする。であるなら、顔を隠す必要はない。


『剣は同じに見えるが、彼ではないな。体型が僅かに違う。服装もそうだ。キスの指示だとして、着替える必要もないはずだ』


 死神の目から、赤の侵入者が七ではない事が判明。確かに七とは少し違って見える。


 零も七の体格をマジマジと見たわけではなく、色と剣が似ていた事で判断したのだろう。


「あれは七ではないですよ。彼はもう少し細身だった気がします。零はここから離れた侵入者の姿は見えましたか?」


「いえ……そこまでの余裕はなくて。森の中へ逃げ出したのですか?」


 零は黒の侵入者を見る余裕はなかった。カイトでさえも見落としたのだから、無理もない。


「奴はボウガンが持ってました。それに従者の服装をしてましたが、魔法使いの可能性もあります。遠くから攻撃を仕掛けてくるかもしれません」


「……分かりました。多分ですが、コイツは魔法使いではないですね」


 両方共に外にいたのだとしたら、赤の侵入者が魔法使いだとしてもおかしくはない。


 黒の侵入者はボウガンを持っているのだ。矢があれば、遠距離攻撃は可能だ。


 ただし、赤の侵入者が魔法使いだった場合、一人残した事になる。


「……のようですね。武器の扱いになれてる感じです」


 魔法使いは武器の扱いに慣れていない。魔法があれば必要がないからだ。


 だが、赤の侵入者はそこまで戦闘が得意でないカイトや零が見ても、剣の構えが様になっているのが分かった。

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