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決め手

「それは……罠です。キス様を疑わせるための。メアリ様と仲違いさせるためだと思います」


『その可能性はあるな。侵入者は二人と考えたが、それは候補者達のルールであって、侵入者が守る必要はない』


 侵入者に魔法回数制限だけでなく、従者の数の制限まで適用されるのか。


 そもそも、魔法使いの従者であると、何処で判断するのかだ。


『魔法使いの従者の決め手はなんだ。服装もそうだが、命約ではないか? これが無ければ、従者と判断がつかないのでは?』


 魔法使いが命約をする事で従者となる。それは間違いない。例外があるとすれば、カイトと零だけ。


 命約が無くとも、魔法使いの従者になれる。それも数には含まれずに。魔法使いにとっての命の危険はあるが、連れて来れる数は増やせる。


 とはいえ、これだとキスやメアリにも該当するのだが。


『侵入者が二人でなかった場合、引き摺った跡と血の跡の二つの形跡があったのも頷けるところがある。もし、君達が反対回りを選んだ場合、カイトが見るのは赤の燕尾服を着た侵入者だったかもしれない』


 カイトが先に赤の燕尾服を着た侵入者を見た場合、どうなるか。死神の存在がいなければ、キスの事を疑ってしまうだろう。


 従者同士の争いも、命約が関係しているのであれば、適用されるかも難しい。


『これは侵入者の思い通りにいかなかったのが、こうなった原因なのか。それを考えると、零が君に選択させたのは勿論だが、私が言うのは一つの可能性だ』


 それは館内から、侵入者が外に出た可能性もあるという事。それは中に戻らなければ、確認出来ない。


「何故、そんな風に思うんですか」


「僕の目の前にいるのが黒の燕尾服を着た人物だからです。当然、メアリ様の従者ではありません。狙う意味もない。キス様もそのはずです」


 カイトは目の前にいる侵入者の姿を零に教えた。キスの疑いを晴らすためには、それしか方法がない。


 自分の主に疑いが向けられるような言葉を、従者が言うはずがないからだ。


「……なるほどです。メアリ様が壱を殺そうとする事は流石に……」


「館の衣装室には従者の服もありました。そこに忍び込んで、それを使用したのではないでしょうか?」


 衣装室には魔法使い用の服だけでなく、従者の服も用意されていた。それは鏡の謎を解くためでもあったが、侵入者が変装用に利用してもおかしくはない。


 ディアナも部屋に鍵を掛けていなかった。それは謎解きを終えた部屋は、他の候補者達も入れるようにと決めていたからだ。


 何時かは置いとくとして、侵入者が中に入る事も可能ではあった。

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