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裏切り

「どう思いますか? 従者と魔法使いの立場が逆転する分岐点。メアリ様達を殺したとしても、何か変わるとは……」


『ゴールド=ゴールも魔法使いだ。命が短いとして、それを許すかだ。侵入者も魔法使いであるのなら、協力するとは思えない。余程の事がなければ。ディアナとアルカイズを殺害する方が、魔法使いにとっては損害になるはず』


 侵入者がゴールド=ゴールの魔法を狙うのなら分かる。もしくは、恨みがあるのでもそうだ。


 だが、立場逆転のためであるなら、ディアナやアルカイズと名高い二人を殺すのは従者側としては良くても、魔法使い側としてはデメリットになる。


 逆にメアリの場合はどうだ。彼女はそこまで名が知られていない。それに従者にとっては良い魔法使いだ。最後までメアリが残ったのはそれが理由なのか。いや、それでも最後には殺されている。


 死神は彼女の記憶の本を持っていた事が、彼女の死を証明しているからだ。


「……書斎の部屋の鍵は開けたので、その紙があるのか見てみます。僕もその言葉が気になるので」


 カイトは移動するのを再開した。死神の言う通り、止まっているのは危険だからだ。


「そうですよね。それでなんですが……壱は従者側と魔法使い側のどちらにつきますか? メアリ様がいたとしてもです」


 従者と魔法使いの立場が逆転するという事は、何処かで争いが起きるという事だ。


 その時、カイトはどちら側につくのか。零はメアリが魔法使い側にいる事前提で話している。


 要はカイトがメアリを裏切れるかどうかを聞いているのだ。


「……今を言っているわけじゃないですよね? そんな状況になればという話で」


 零はメアリとカイトの間に命約が結ばれてない事を知らない。ここで裏切ったとしても、命約による死が待っているだけだ。


 だが、このタイミングで話を切り出してきた事で考えてしまう。零も館の主に不満は感じていないはず。


 カイトと零自身は恵まれているような言葉も発していた。


「勿論です。私も主を裏切るつもりはありませんから。……未来の話です」


 未来の話。という事は、ゴールド=ゴールが亡くなれば、彼女が魔法使い達に反逆を考える事になるのか。


 それでも、カイトにとっては今でなければ問題ない。


『……主を裏切るつもりはないか』


 ふと、死神は零が言った言葉を反復する。それはカイトにも当て嵌まると思ったのか。それとも別の要素があるのか。


「言葉に詰まった時点で壱がどちらに付くか分かりました。それだけの繋がりがあれば……そうなりますよね」


 カイトであれば、従者や魔法使いのどちらかではなく、メアリがどちらを選ぶか。それに今の段階でしかない事を知っているのもある。

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