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幕間 ー4ー


「……お前の仕業か。こっちは謎解きの最中だ。干渉してくるな……といっても無駄か」


「そう邪険にするな。この事件に関しては今だけだ。君の姿が見えたからな。いや、君が操る少年をか」


「やはり、あの絵はお前だったか。毎度ながらに手を貸した証拠を残す。この事件を裏で導いたのは貴様だろ?」


「ハハハ!! 導いたというのは上手い表現だね。僕は直接手を出したわけではないよ。未来の話をしただけさ。まぁ……舞台造りのアドバイスもしたね。それは君も分かっているだろ? 何度もしている事だからさ」


 死神はいつもの場所でカイトの動向を見ていたが、それを邪魔する相手が現れた。


 ここは未練のある死者が訪れる場所ではあるが、人数は制限されている。カイトの事件が終わるまで、死者が訪れる事はない。


 そして、彼女の姿は死神と瓜二つ。違いがあるとすれば、パーツ毎の色だろう。付け加えるなら、声も別である。


 ゴールド=ゴールの館の絵画室にあった肖像画の本人。


 彼女は肖像画を通じて、カイト=死神と目を合わせた。


 死神の作った擬似的世界に干渉し、彼女と似た姿をしているのであれば、考えられる事は一つ。


 彼女も死神という事。だからこそ、互いの事を知っている。ただし、死神同士だからといって、仲間ではなさそうだ。


「死を振り撒き過ぎだ。本来とは別の死を与えているのだろ」


「死神としての仕事だろ。死を摘み取る事は。その過程が違うだけ。私は直接手に掛けてない。私の言葉に耳を貸すのは、その気持ちがあるからさ」


 彼女は死神として、人の死を撒き散らす。それは自分の手を汚すわけではなく、言葉巧みに相手を騙す……いや、信じ込ませる。


「だからこそ、私の考えた案を実行する。その世界にあった不可能犯罪。解けないままで終わる事件を」


「……不可能犯罪はない。そうなるのは見落としがあるからに過ぎない。今回もそれだ。お前が……ツヴァイが手を貸している時点で、実行犯はいる事になる」


「そうだね。アインズはいつも私の不可能犯罪にするのを邪魔をする。それが私は楽しい。いつか、君を屈伏させれるか。実際の事件は成功するのは当然。私としての本番は、君が擬似的世界を作ってからだから。君が安楽椅子の探偵であり、私が犯人側の黒幕。ライバル関係だ」


 ここでカイト側の死神の名がアインズ。犯人側の死神がツヴァイという名前というのが判明した。


 安楽椅子の探偵とは、その場から動かず、様々な情報だけで推理し、犯人を見つけ出す。


 逆に彼女は黒幕。実行犯ではなく、裏から操る。いわば、悪の安楽椅子。ツヴァイ自身はアインズのライバルだと公言している。


 今回、アインズ側の情報を集める助手がカイトになる。ツヴァイ側は侵入者となるわけだが、二人には違いはある。

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