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意識喪失

「アンタ達も食べなさい。それが終わったら、謎解きの続きをするわ。書斎で言った通り、次に行くのはピアノ室よ。侵入者は私達が一緒に動く以上、手を出しにくいはずよ」


 カイト達がアルカイズの死体を運んでいる間に、メアリとキスは食事を済ましていた。毒見はカイトが二人分している。


 その時、七は二階の廊下で待機した状態だったからだ。


「私達……というのは、私も含まれているのですか?」


 カイトと七が調理場から昼食を取りに行くよりも先に、零がすでに自身のも含めて、三人分の食事を運んできた。零も一緒に昼食を取るつもりなのだろう。


 二人は席につきながらも、零の会話が終わるのを待っている。


「そうよ。謎解きに参加しろとは言わないわ。今回は謎解きが一つ終われば、探索は終わり。私達が二階にいる間、アンタも同じ階での仕事をしろって事よ。客室の掃除もあるわよね」


 キスは零の疑いを完全に無くしたわけではないようだ。目の前にずっと置くのが無理でも、同じ階にいれば、監視はしやすくなる。


 それだけではなく、十の死体が消えた客室の掃除をするのは零本人が言っており、それを利用して、侵入者がどう反応するかを確かめるのもある。


 カイトと七も客室側にあるディアナの部屋に行ったが、その時は二人だった。だが、今回は零一人になる。


 絵画室に入った時のように、一人を廊下に待機させておくのなら、監視のためだとしても、零も少しは安心出来るはず。


 ピアノ室の謎解きなら、廊下から零を見る役目はカイトになるだろう。


「……ピアノ室の謎解きですよね。彼がヒントを得ているようなので、それだったら大丈夫です」


 零は三を倉庫へ案内する時、七に声を掛けられていた。それが謎解きに関する事だと耳にしている。


 それが正解だった場合はすぐに終わる可能性が高いからだ。


「……僕が廊下に待たされる事になっても仕方ないですね。貴女の考察が正しかったのも気になるところだと思いますが」


 とはいえ、死神もピアノ室、音楽室の謎解きともあり、倉庫にあった五本の線とナイフが楽譜ではないかと考察している。それが七と同じなのか。正解なのかは死神としても気になるところではあるだろう。


『それは後からでもメアリに聞けばいい事だ。報酬もそうだ。君が気をつけなければならない事は、先程とは違って君が……』


「僕が廊下に待機する事ですか? 零が廊下にいてくれたら……あれ?」


 死神の声が途切れたとカイトは気になったのだが、彼自身の体に異変が起きた。


 呪いが再発か。それにしては突然であり、慣れた体に、カイトが気付かないわけがなかった。


 それなら別の要因。食事に毒を盛られたのか。だが、零と七も口にし始めるが、何も変化はない。


 毒だった場合、彼には毒耐性があり、逆に呪いを抑えてもくれるはずなのに。


 カイトはメアリ達がいる前で倒れてしまった。

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