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謎解きの失敗

「壊れているのなら、魔導具の効果なのか分かりませんね。もし、アルカイズ様がこの部屋に持ち込んで、間違った使い方をした可能性もあるのでしょうか?」


「アルカイズの死は侵入者関係なく、魔導具の失敗? ……ない事もないのか。それも分からないわね。物音がしたのはアルカイズが倒れた音であった場合、それもあるわね。こんな状態になるのも頷けはするけど」


 メアリはアルカイズが花瓶の魔導具に何かしようとした結果、失敗した事で亡くなった可能性。


 溺死だけでなく、花瓶の欠片による手足の傷。魔力が関係しているのであれば、あり得るのかもしれない。


 キスも半信半疑だが、魔導具の効果が分からない以上、否定は出来ない。


「私も分かりません。けど、ここまでになると魔導具ではなく、魔法ではないでしょうか?」


 零はアルカイズの死を魔導具ではなく、侵入者の仕業を推している。侵入者の共犯、協力者であるなら、メアリの考えに協調するはずなのだが。


『濡れた体だけならともかくとして、割れた花瓶の破片では、ここまで深くは切れないだろう。割れた勢いがあれば話は別だが、一箇所に集中している』


 花瓶が勢いよく割れたとして、部屋に広く散らばっているはず。更に言えば、手足だけでなく、体にも傷が無ければおかしくなる。破片が体を避けるのはわけがない。


「死体以外……この部屋を調べるわよ。絵画がドアになってるだけが謎じゃないのよね。魔導具の失敗じゃなくて、謎解きの失敗で起こったかもしれないわ」


 絵画室の謎解きによる失敗。零が絵画を回転させる事を教えたのも、別に謎解きがあるからだ。アルカイズがそれに挑戦したとしてもおかしくはない。


 もしかしたら、その失敗が三の首を切ったのかもしれない。そして、アルカイズの手足を切ったのも再度挑戦した。そこで致命傷となる頭と体を手足で守った結果がこの状態。


「その可能性もありました。濡れた体に関しては別だと思いますが。切られた事に関しては……あるかもしれませんね」


 絵画が多く飾ってある部屋であれば、水による罠は用意しないだろう。濡れた体は魔導具の花瓶、もしくは侵入者が何かした可能性がある。


「この部屋に飾られているのは天使と悪魔かしら。書斎も神と悪魔の本棚があったぐらいだし、余程魅入られもしたんでしょうね」


 ドアとなっている絵画は普通の風景画だったが、絵画室にあるのは全くの別。


 天使と悪魔。天国と地獄をイメージしたような絵が飾られている。


 その中には剣を持った天使。鎌を持った骸骨の絵があり、切る事もあり得るのではないかと思えてしまう。


「どの絵にも魔力が少し宿ってますね。安易に触れれば、アルカイズのようになるかもしれません」


「そうね。食堂の時みたいに絵を入れ替えるにしても、ヒントは無さそうだし」


 天使と悪魔の絵は二つの区分にきちんと分かれていて、入れ替える必要もない。別の法則性があるにしても、ヒントらしき物はなさそうだ。

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