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三の証明

「放置しておく事で、どうなるのかも気になるわ。勿論、腐らせるためじゃないわよ。死体が消えるかどうか。もしくは」


 キスは死体を放置する事で、魔物の餌にするつもりのようだ。餌があれば、魔物がメアリ達を襲い掛かる確率も低くなる。


 勿論、あの死体を調べてからの話にはなる。今は誰がアレを死体にさせたのかが分かっていないのだから。


「……まずは調べてからです。二人共、お願いしますね」


 メアリはキスの案に賛成は出来ないようだ。死体を弔う事はせず、利用しようとしている事に反対する気持ちがあるのかもしれない。


「私も確認に行きたいのですが……駄目でしょうか?」


 カイトと七が館の外に出る直前、零も死体を確認に行きたいのか、二人に許可を求めた。


「主に報告するため、直接見ておきたいです。キス様としても、側に置くよりも安全だと思いますよ」


 零はキスが自身を疑いを持っているのを逆手に交渉する。彼女がキスに何かをするわけではないが、カイト達と一緒に向かわせた方が安全ではあると思わせる。


 死体に何かしようにも、カイトと七の目がある。遠くからも二人が監視するのであれば、下手な事は出来ないだろう。


「ふん……好きにしなさいよ。アンタが死んで、ゴールド=ゴールが姿を見せてくれたら、御の字だし」


「……貴女も気をつけてください」


 二人は零が死体を確認に行く事に許可を出した。館の主のためであれば、拒否するのも難しいだろう。


「ワガママを言った手前、私が先頭を行きますね。何かあった時は守って貰えると嬉しいです」


 今回、零は武器を持ってきていない。館の外に出るとは思ってなかったのもあるが、仕事の邪魔になっていたのだろう。


「勿論。ゆっくり行きましょう」


「……了解した。主もそこは許してくれるだろう」


 カイトはすぐに了承し、七も零を守る事を許諾。キスとしては彼女が死ぬ方を望むかもしれないが、館の主の従者でもある。


 そこを考えた場合、主に反するかもしれないが、結果的には間違っていないと、七は考えに至ったようだ。


「ありがとうございます。……あの死体は彼女だと思いますか? 壱が見るのを代わってくれましたが、最初見た時、私はすぐに彼女だと思ってしまって」


 やはり、零はある程度は見えていたようだ。白服を着ている時点で、彼女であると判断してもおかしくはない。


「私の場合は、彼から情報を聞いた後だ。それを聞けば、三としか思えない。あそこから頭がないのが分かったのは凄いとは思ったが……あの姿を見て、三であると主に伝えなかったのは何故だ」


「私が言える立場ではないですが、それは少し思いました。壱は今も三ではないと思ってるのですか? 別人であると……」


 零が死体を確認に行くと言ったのも、カイトにこれを聞くためか。


 零だけでなく、七もあの説明でカイトに疑いを抱いたのかもしれない。

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