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練り直し

『そうか……彼女に関しては二人と少し立場が違うな。三は主である魔法使いを良しと思っていない。その気持ちは強いはずか』


 十や七が以前の主から情報を得られたのも、主従関係の良さがあったからだろう。それを二人が覚えている事からも窺えるかもしれない。


 だが、三に関しては別だ。アルカイズ以前の主とは良好な主従関係ではなかったはず。


 彼女がアルカイズの従者になった理由も、従者同士の交換だったと本人が告げていた。しかも、従者は捨て駒のようなものだからと、了承もなく勝手にだ。


「そうです。彼女の場合は主との関係ですが、十の方にも貴女の指摘に問題があると思います。彼自身が殺されてる事です」


 謎解きをするため、ディアナも知らない知識を十が披露した。それは正解だったが、彼自身はそのせいで殺されてしまっている。


 あの時、鏡の前に立つのが早かったのはカイトの方。後に十が転移する鏡へ移動した。


 もし、転移するのが分かっていたのなら、何かしらの理由をつけて、止めるのではないだろうか。


 そうでなければ、誰が転移されたのかを確認した後、相手を殺すのではないか。


 十が殺されたのは転移後であるが、彼なのか確認する時間は十二分にあった。それでも彼が刺されたとなれば……


『一理あるが……前回、本来起きた出来事でも、十の方が転移されているはずだ』


 ディアナが転移された場合、不意討ちで刺されても命約により、十が死ぬ事になる。だが、その代わり、ディアナはその相手を殺せるのだ。


『……早計な発言だった。今一度考えを練り直す』


 カイトと死神の会話時間がそろそろ切れると察したようだ。ただ、考えを改めるのではなく、練り直すという言葉を使っている。


 七に対しての事もありそうだったが、それも含めてという事なのか。


「分かりました。あっ……十が転移された事で、侵入者の存在がハッキリしたのか。でも、それは流石にそこは関係ないはずです。こっちは警戒出来る事になったわけで」


 侵入者の存在が発覚したのはメアリ達の人形が消えたからではなく、十の死体が発見されてからだ。


 これに関しては、メアリ達としては不幸中の幸いだったはず。侵入者に対して、身構える事が出来るようになった。


「壱もそうですが、彼の視野は広いですね。誰もドア側に意識は向いていなかったと思ってました」


 館の入口まで歩く中、ふと思った事なのだろう。ボソッとメアリが口にしてる。


 彼女が言っているのは七が使用した踏み台だろう。それはドア側の壁際に置いてあった。


 単に置いてあるのではなく、少し大きな椅子もあり、その下にあったのだ。それを引き抜いて、使用した事になる。


 彼が一度しゃがんだ姿はあったのか。椅子と踏み台の色は一体化している。


 使用後、七が戻した時には一目では見分けがつかない。


 それを瞬時に判断出来た事に対してだろう。

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