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「まずは計算のやり方よりも答えが先ね。メアリは神学の本を持ってると言ってたけど、そこに数字に関する事はなかったわけ? 答えの完全数について」


「……残念ですが。完全数という言葉自体、始めて知りました。組み合わせもそうですが、この膨大な本の中から見つけないと駄目かもしれません」


 メアリが所持している神学の本には神の数字、完全数に関する記述はなかったようだ。


 そうなってくると、この書斎の中にある本から解答を見つけなければならない事になる。もしくは、別の部屋に隠されているのか。


『完全数と獣の数字か。神や悪魔もそうだが、どの世界にもあるものだ。その数は大抵が同じ物だ。同一人物が広げたのかもしれないな』


 同一人物といえど、人間ではなく、神や悪魔。彼女の存在が、それらの存在を否定出来なくなっている。


 それに死神、神と名がついているのであれば、最初から答えを知っていてもおかしくはない。


「でしたら、この世界も同じかもしれないんですよね。教えて貰ってもいいですか?」


 死神の言葉にカイトが反応する。この大量の本から、二つの数字を見つける事は途方もない事だ。それに費やす時間が勿体ない。


『……完全数は幾つもあるが、神の数字も加わると496。悪魔の数字だけでなく、獣の数字ともなれば666だ。だが、これをメアリ達にどう伝えるつもりだ? メアリが知らないものを、君が知るのはおかしな話になるぞ』


 カイトが知ったところで、メアリ達に伝える方法はない。他の従者から聞いたというのも無理がある。そこまでの接点がない事は、彼女も分かっているはずだ。


 キスや七は兎も角として、メアリに疑われる事をカイト的には避けるべきである。


「……本。その数字が記載されている本が別の世界にあったかもしれません。それと同じ題名の本があれば」


 様々な世界に広まっているのであれば、口伝だけでなく、本に残している可能性もある。勿論、この世界にその本があってもおかしくない。


 そうでなければ、神の数字や悪魔の数字という言葉自体が出てこないのだから。


『人間が書き残した本か。あるのだろうが、謎解きに関係なければ、興味もそこまでなかったからな』


 神が残した本であれば別だったかもしれないが、人間が残した本、それも特定の本の題名を記憶するのは興味がなければ無理な話だ。


「……キス様。書斎の謎解きの方針を決めたところで、中断しませんか? この時間は私が持っている鍵の部屋を見つける事でした。謎も解ければ問題なかったのですが、行き詰まっているのであれば、ピアノ室の謎解きを先にするのもありかと思います。そこに数字が隠されているかもしれません」


 謎解きは書斎だけでなく、ピアノの室にも残っている。謎解きをする事で、何が起きるのか分からないのは書斎でも同じ。


 違いがあるとすれば、七がピアノ室の謎解きに関するヒントを持ち合わせているかもしれない事だ。それに関してはキスも知っているはず。


 無駄に膨大な本の中から探すのは、ピアノ室の謎解きに解答後に答えがあるのかを見てからでも遅くはないのかもしれない。

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