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新たな計算

『……キスが言っている事は間違ってはいないな。衣装室とは書庫との謎解きは似てはいるが、違っているところもある。悪魔学や神学、魔法学の本を見てみろ』


 死神の言葉にカイトは本棚を見回してみる。殆どが黒の本。机に置いてあるのとは違い、題名は刻まれている。


 僅かにある違った色の本に赤と青はあるが、年月が経過しているのか、赤黒く、青黒く、変色している。それをどちらとして扱うかも難しくなる。


「本の色にそこまでの種類がないようです」


 カイトの言葉にメアリも周囲を見回す。部屋の風景は見たはずだが、一部の本棚に注目したからだろう。


「そうでした。それに……キス様はこれも気にしているわけですね。幾つかの題名に数字が記載されている事に」


 悪魔学、神学、魔法学の本に数字があるのが無数にある。Ⅵの魔法やⅧ地獄、Ⅰの世界等。シリーズとして物として並んでいる本もあるようだが、それは一括りに帯がされている。


「数字の種類も従者の部屋と違ってますね。これも意味があるのでしょうか?」


「メアリ様が言ってる事に間違いはありません」


 書庫と従者の部屋では数字の形が違っている。七はメアリが間違っていない事をキスに伝えた。


「数字の違いがあるなら、この部屋にある物を使用するべきでしょうね。同じ数字もあるようだけど、本の厚みが違うわ。数字を組み合わせるのに重要でしょ」


 同じ数字は幾つもあるが、其々本の厚みが違っている。本棚は上中下に五冊入るのは、黒と白の本の厚みであって、それ次第では増減はありそうだ。


「それを考えると……キス様の言う通りかもしれません。書斎にある本を使用するとして、後は白黒の本が何を意味するのか。神と悪魔の数字も見つけなければなりません」


 書斎の本を使用するにしても、当て嵌める数字が判明していない。


「衣装室は文字で足すや引く等の計算をする事が分かりましたが、今回はそのような物が書かれていませんね。ただ……本棚の上中下に端の真ん中に=は刻まれてるようですが」


 衣装室での服の組み合わせ時、和差積商を元に計算するようになっていた。


 メアリやディアナのその文字が何を示すのかが分からなかったが、それを十が答えていた。ディアナよりも前の主が知っていたらしい。


「一箇所だけならともかくとして、全部にそれが刻まれていますよね。無関係とは思えません。今回も計算でその数字を導くのかもしれませんね」


 カイトが悪魔の数字の本棚に=の跡に気付くと、メアリは神の数字の本棚の方へ行き、確認する。


「こっちの本棚にそんな跡はないわね。謎解き用の本棚にあるだけ。その方向で進めていくわよ」


 キスは魔法学の本棚を、七は神学の本棚の端を調べた。それらに=の傷跡はない。


 悪魔学の本棚はカイトの後ろにあり、端へと目を向ける。そこにも傷跡は示されていなかった。


 つまり、故意に付けられた跡であり、=は計算式に使う物。それらを踏まえると、本棚内で計算を行うという事だ。

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