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疑いの邪魔する物

「どうして、メアリ様が謝るのですか……」


 メアリは申し訳程度にキスに頭を下げるのだが、その理由が言葉を口に出した途中、カイトの頭の中にも過っていく。


「確かにメアリが謝る事ではないわ。私達がそれに頼ったんだから」


「はい……ある意味、あれは私の見解に過ぎないので。感情の変化に関しては間違いないのですが」


 零と三の疑いを邪魔するのはメアリが使った感視の魔法。感視は相手の感情、心の機微を色で見る事が出来る。


 とはいえ、心の声までは聴こえず、読み間違える事もあるのだろう。感情の変化を読み取るタイミングで、違った解釈を取れる時もあるはず。


「感視を使ったのは、零に十の死んだ事、侵入者についてを聞いた時。三はアルカイズと一緒ではなく、アイツの行動を尋ねた時よね」


「あの時、二人に嘘を吐くような感情の変化はありませんでした。感視の魔法を使ったのも分からなかったはずです」


 零と三はメアリの感視の魔法についての情報を持ち合わせてはいなかったはず。ゴールド=ゴールが事前に調べていたら別だが、彼女が警戒をしている感じはなかった。


 逆に余計な情報を零に与えて、動揺させないために伝えてなかった可能性もある。


「私やディアナも知らなかった事だからね。当然、アルカイズが知る由もないわ」


『一応、キスは感視の事を気にしてはくれているようだ。メアリを信用はしているのだろうな』


 感視がなければ、零に共犯者だと詰め寄っている事があったのかもしれない。


『零は侵入者に攻撃許可を許しているからな。それを撤回していない以上、難しい判断になる』


 魔法使い同士の争いを禁止している以上、侵入者もそれに該当するのかを聞き、攻撃するのを零はその場で許可している。


 後にそれを無くすようであれば、逆にゴールド=ゴール自身が怪しまれる。


『途中から話を聞いたとしたら、ミスが何処かで生じる。君達を眠らせ、メアリとキスも眠らせるのは計画的であるとも取れるが』


「侵入者自身を捕まえれるのが……一目でも見れたら良いのですが」


 キスやメアリも零や三を主犯ではなく、共犯者と疑ってるに過ぎない。


 侵入者は別にいる。これは間違いないのだろう。だが、未だにその姿は確認出来ていない。


 カイトの目的はメアリを殺した相手、この館に起きた出来事の解明。侵入者を見つけなければ、何一つ分からないのかもしれない。


「アイツが戻ってくるのかが分からなくなったわね。殺されるわけではなく……ね。戻ってきた時には従者の部屋の事を聞いてみるといいわ」


 三が戻って来ないのは殺される可能性と、アルカイズや侵入者と合流する可能性。


『戻ってきた場合、メアリに感視されるのもいいかもしれないか』


 感視による感情の変化。三がアルカイズや侵入者に新たな手口を教えられていた場合、それを知る方法にもなるからだ。

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