表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
186/491

受け渡し、受け取り

「勿論、人が通れるような大きさじゃないから。まぁ……もしかしたら、ゴールド=ゴールの連絡口として、利用してるかもしれないけど」


 零と館の主の連絡方法は分かっていないが、調理場を連絡口として使っていてもおかしくはない。


 館の管理は零の仕事であるが、調理場にいる時間が結構長いようにも思える。


『外側がどのようになっているのかは分からないが、物の受け渡しが出来るかもしれないか』


「それは……零が鍵を渡す事も可能かもしれないと」


 侵入者、もしくは外に出たばかりの三に鍵を渡す事も可能。


『もう一度調理場に入り、そこの構造を見ないと判断が難しい。受け渡す事は可能だが、受け取る事は出来ない事もある。高さも問題になるからな』


 調理場側では物を渡す時は落とせば良いが、受け取る時は下に置いてある物をどう取るのか。


 その内部を見なければ、判断するのは難しい。


 零とゴールド=ゴールがそこで連絡を取り合っているのなら、可能ではありそうなのだが。


「それを考えると、鍵を外に出す事も出来そうではあるけど、アイツも危険を冒さないでしょ。更に言えば、館の入口の鍵は外側だけでは開けられないから」


 死神同様、キスもその考えには至ったようだ。


 鍵を外に出しても、中に入るのは困難なのだ。館の入口の鍵は外側から開けれる物だけではなく、内側のみで解錠出来る錠を設置している。それも複数あるのだ


 中に共犯者がいない限りは無理な話。それで零が疑われる事を本人も承知しているはず。


 だからこその複数の錠だ。一つだと簡単だが、複数だと時間を要する。そんな場面を見せられるようにしたのだろう。


「そっちの話に戻るわよ。メアリは三に疑いを持ったわけよね」


「そんな事は!! ……可能性を示唆したの確かです。本当に彼女を疑っているわけでは」


「疑いなさいよ。疑いは持つべきだから。私も零を疑ってるでしょ。綺麗事を言ってられる状況じゃないのよ」


 メアリが誰も疑いたくない気持ちに対して、キスは呆れたように答える。


「侵入者の姿を私達はまだ見てないわけ。共犯者がいると考えた方がいいのよ。それが今いるメンバーにいてもおかしくない事もよ」


 これまでの出来事を侵入者単独で出来るかと考えれば、厳しいと思わざるを得ない。


 事前に準備をするのも難しい。更に言えば、用意していたとしても、カイトの参加により、それは潰れていてもおかしくはない。


「……そうですね。ですが、それでも彼女が共犯者だとは。私の力不足で、見落としがあるのかもしれません」


 キスが言う事が正しいと分かりながら、メアリも信念を曲げるつもりはないようだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ