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判別

「苦手なんだけど、七の目を借りるわ。この距離なら失敗はしないだろうし。その間は周りが見えなくなるから」


 七の目を借りる。それは死神がカイトにしているのと同じ事であり、魔法を使うつもりでいるようだ。


 零の動きを直接見るためではなく、七の動きも確認するためか。


 今回、キスが連れて来た従者もディアナやアルカイズ同様、いつも連れている従者ではなかったはず。


 彼女は信用している従者とは言っているが、気になりはするのだろう。



『その選択もありだと思うのだが、借りる相手である七自身も、それが分かるのか知りたいところではある』


 もし、七がキスに目を借りるように誘導した場合、それように動く可能性は高い。


 その魔法が従者、命約している者だけに使えるのであれば余計にだ。


 とはいえ、その魔法をアルカイズが三に使っていた可能性もあるが、別段変わった様子はなかった。気付く事はないのか。


 それも魔法の差によるのかもしれない。七がキスの魔法に気付いた場合、迂闊な行動を避けるだろう。


 一番良いの七の目を借りず、千里眼のように調理場を見る事が出来れば良いのだが。


 それが無理だからこそ、七の目を借りる魔法になったわけだ。それも出来る限りの障害物を省く必要がある。


 だからこそ、従者の部屋の中に入らず、ドアを開けたまま、入口前に立つ事になったのではないか。


「分かりました。ですが……そちらに意識が行く分、無防備になるのでは? 私と壱が気を止めときますが、それでも座っておかないと」


 メアリはキスが魔法を使う事によって、無防備になる事を心配している。


 目が七の方に行く分、自身の体の具合が分からなくなるのだろう。立っているよりも、座っている方が幾分安全ではあるはずだ。


「分かったわよ。中にあるベッドに座ればいいんでしょ。ここが一番食堂が見えやすいわね」


 そのベッドは誰も使用していない。ドアの真正面近くであることに、零も含めて、全員が選ばなかった。ベッドの色は緑。


 キスも自分の色である赤を選ばなかったのも、魔法を優先したからだろう。


「ふぅ……メアリも私が魔法を使う前に魔力を探知しなさいよ。私の魔力で上書きされたら意味がないから」


 魔導具で使用された魔力が僅かに残っていたとしても、今から使う魔力の方が濃くなり、そちらにしか判別が付かなくやってもおかしくないらしい。


「そこは問題ありませんよ。ほんの僅かですが、魔力は感じ取れてはいます。魔法ではなく、魔導具……」


「へぇ……凄いじゃないの。アルカイズみたいに、そっち系の魔法も得意になれるんじゃないの?」


 メアリは僅かな魔力を察知したようだが、キスはそうではないらしい。魔法にも得手不得手がある。


 キスは攻撃魔法が得意であり、魔力を感じる繊細さはメアリより劣っているようだ。

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