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「予想よりも早いですね。もう少し七には手伝って欲しい気持ちもあったのですが……毒は手に入りましたか?」



「ふん……そんな事よりもさっさと入口の鍵を開けなさいよ。これだけのために時間を割いてるんだから」


 カイト達は調合室の鍵を掛け、一階にある館の入口前へ。


 三とカイトが調理場にいる零と七を呼びに行く。最初は彼女だけが呼びに行くはずだったが、カイトもついて行く事に。


 キスは七が零に付いているから問題ないと思っているかもしれないが、三人の会話があった事で、気になるところがある。


 三が調合室で伝えたかったのは従者同士の会話だったのか。


 調理場の中では零と七は仕事をしていて、怪しい動きを一切見せてなかった。


 従者だけになっても、三が再度話を続ける素振りもなく、すぐにメアリ達の元へ。


 だからこそ、三が何を言おうとしていたのか。零や七も知らない事なのかもしれない。


「わ、分かりました。すぐに開けされてもらいます」


 零はそそくさと入口の扉の方へ寄っていく。


 彼女は人形のようではなく、カイト寄りの従者だ。態度や行動、表情が分かりやすい。


 その隙にキスが七を側に寄せて、話を聞いている。零が怪しい行動をしてないかの確認をしてきるのだろう。


 彼が首を振っているのは、そんな素振りはなかったという事だ。


「開けました。彼女が外に出たら、再度鍵を掛けます」


 零は三から調合室の鍵と共にアルカイズの部屋の鍵も受け取った。もしも、殺された場合に対しての処置だ。


 時間が過ぎても戻らなかった場合、メアリとキスがそれを手にする事になる。それと同時に調合室の謎解きも二人に権利が与えられるはずだ。


「私は貴女が無事に戻ってくる事を祈ってます。そして、アルカイズ様を見つける事も」


 三が戻らない方がメアリにとって都合が良い面があるのだが、彼女は本当にそう思ってそうだ。


「ありがとうございます。アルカイズ様の発見もですが、侵入者と魔物の情報の入手出来れば」


 三はメアリに頭を下げる。手には槍、懐には調合室で取った薬を隠して。キスにその事はバレずにいる。


「今の時間は十一時。捜索時間は二時間の設定です。予定されている昼食の時間と同じぐらいになりますね。その時にキス様とメアリ様もこの場に来て貰えたら」


「構わないわ。そこは気になるところだから」


「私もです」


 キスとメアリも了承。どちらの結果にしても、知るべきところだからだ。


 彼女が死んだ場合、確認のために外へ出る事になるかもしれないだろう。


 危険ながらも館外へ出る理由が生まれる。


「三は時計を持ってますか? 外で時間を確認する物が必要ですよ。これをどうぞ」


 零は三が返事を言う前に、小さな懐中時計を渡した。


「私は他にもありますので、是非。戻ってきて、ちゃんと返してくださいね」


『……従者は零のような時計を持っていないものなのか? 時間の管理は必要だと思うが』


 逆に彼女は時計の返却で、館に戻ってくる理由を作ったのだろうか。それとも……

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