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相談

「それだったら、どうすれば……」


『君はキスの事をどう思っている? 犯人、もしくは侵入者の協力者だと思うか』


 カイトの疑問に、死神は質問で返す。


 キスを犯人、共犯者だと疑っているのか。


 当初、メアリの甘さや態度にキスは彼女を敵視していた。それは間違いないだろう。


 それにも関わらず、協力関係を求めてきたのだ。


 現状、彼女が疑いを持っているのは館の主であるゴールド=ゴール。態度からして、それが伺えるのだが。


 その全てが嘘や罠である可能性もゼロではない。疑えば、きりが無い。


「……キス様は犯人や共犯者ではないと思います。彼女も行方不明になっていますし、この場で魔法使い同士の争いは禁止されているはずですから」


 魔法使い同士の争いは禁止。これが理由としては一番大きい。


 キスはメアリを殺せないのだ。罠を仕掛けても争いに含まれる。


『そう思っているのであれば、簡単な話だ。キスに命約を結んでない事を話せばいい。途中でバレるよりも、打ち明けた方が印象は良いはずだぞ』


「キス様に伝えるんですか!!」


『メアリを説得するのは君だ。君からバラすのはなしにしよう。主と従者の関係を考えると、裏切り行為だ。それはメアリとキスも良しとは思わないだろう』


 二人が協力関係を結ぶ中、弱点になる事を相手に話す事は裏切りを唆すような物。逆にその言葉自体が嘘だと疑いを持ってしまうだろう。


 メアリは瓶を開け、僅かな匂いを吸い込んでいる。何も表情に変化がない事に、カイトはホッとした顔をしている。


 それが何度も続けば、いずれはメアリの体に毒が入る。瓶の中には液体だけでなく、粉のような物もあるようだ。


 彼女であれば、試しにその粉に触れかねない。


『魔法使いが約束、契約を重要視するのであれば、キスは謎解きが終わり、ゴールド=ゴールが見つかるまでは裏切らないだろう。本来、彼は見つかってないのだから、最後まで協力関係は続くと考えて良いのではないか』


「ですが……その後は」


 継承後に裏切る可能性は残っている。ゴールド=ゴールが見つかった時点で、侵入者である犯人を捕らえていたとしてもだ。


『その後はない。キスとメアリがゴールド=ゴールの魔法を継承する事はない。犯人が特定し、それが間違ってなかった時点で終わりだ。君の死だけが、この世界を終わらせるわけじゃない。謎解きのための世界。答えが分かれば、消滅するのは当然だ』


 メアリやキスの継承後の物語は存在しない。それはカイト自身も頭で分かっていたが、この擬似的世界に存在するメアリを見ると、先があるいう考えに陥ってしまうのだろう。


 今だけの事を考えるしかないのだ。勿論、その中でメアリに最後まで生き残らせる。


「メアリ様……相談があるのですが」

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