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重要視

 ディアナの部屋の時計の位置はどうだったのか。


 アルカイズとディアナの間にある客室も、アルカイズ捜索時に中を一度は確認している。


 その時に時計はどちらの部屋の方の壁に付けられていたのか。


「戻りました。アルカイズ様の部屋にも穴はありました。侵入者が部屋に入れたのも、これを利用したのでしょうか」


 三がアルカイズの部屋から出てきた事で、答えは判明した。


 隣の部屋と繋がっていたのはアルカイズの部屋。


 これはある意味で分かっていた事でもある。


 アルカイズの部屋の隣は一つしかないからだ。


「そこまでは私も分からないわよ。一応、隣の部屋の鍵もかけるから。それをアンタに……外に出るのだから、零が持っていた方がいいわね」


 三が館の外に出る以上、隣の客室の鍵を渡すのは駄目だとキスは判断した。


 薬室の鍵も零に預かってもらう事になるので、間違ってはいない。


「分かりました。彼女が戻ってくる時までは私が所持したままにしますね。鍵もきちんとかけ」


「申し訳ありません。その部屋を先に調べさせて貰えないでしょうか。匂いがあるのかを確認したいのです。……ディアナ様の部屋にも繋がっているのかどうか」


 カイトはメアリの許可も得ず、先にキスへ頭を下げた。


 今、この段階で調べるためには、キスを先に説得するしかない。


「話を聞いていたのか。キス様はこれからやらなければならない事が山積みなんだ。それは協力関係になったメアリ様も同じ事。それを私達従者が邪魔をしてどうする」


 カイトの発言を七が制する。


 彼は従者同士の会話にして、カイトのお咎めを少なくしようと考えてくれたのか。


 それとも、本当に迷惑行為だと、カイトに対する怒りが言葉に現れたのか。


 もしくは、隣の部屋を調べられるのが嫌なのか。


「壱。残念ながら」


 メアリも協力関係になったからには、カイトを支持せず、行動を止めに入った。


 メアリの部屋で匂いの確認だけでなく、発生場所の特定までをさせてもらったのだ。次はキスの言葉を優先するべきなのだろう。


「……いいわよ。調べてきなさい。メアリ……アンタのところの従者は意外と頭が回るわね。確かに気にしないと駄目なところだわ」


 メアリが止めたのにも関わらず、キスの方が許可を出した。


 カイト……死神が言わせた言葉に引っ掛かる面があったのだろう。


 当然、アルカイズの部屋に匂いがあるかによって、侵入者が彼の不在を知っていたのかが分かる。


「それは……アルカイズ様が不在である事を、侵入者が知っていたのか……ですか?」


 メアリも匂いを確認するという段階で、それに思い当たったようだ。


「それもあるわね。そこも重要な事だと思うわよ。けど、問題があるのは逆。ディアナ側だから」


 キスが重要視したのは、アルカイズ側ではなく、ディアナの部屋側にある壁。時計以外で穴が隠されていないかで、話は変わってくる。

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