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封鎖

「私もそうですね。魔法で塞ぐにしても、回数制限が厳しいです。今日含めて、五日間。何度か張り直す必要がありますし」


 魔法で穴を塞ぐにしても、その分の魔法回数は減ってしまう。一度だけならまだしも、効果が切れれば、何度も張らなければならない。


 それは謎解きもだが、侵入者対策にとっては痛手しかない。


「その穴を木の板等で塞ぐのは無理なのでしょうか」


 カイトは零に尋ねた。キスが隣の部屋を調べないのであれば、この時にメアリがカイトに指示するのは難しいだろう。


 ただし、自室で穴を塞ぐ事は当然やるべきなのだ。


 魔法を使わなくても、木の板を打ち込んだりと、別の方法もある。壊される可能性もあるが、ないよりかはましのはず。


「残念ながら、それは許可出来ません。部屋に私物を置くのは構わないのですが、中に傷をつけるのはちょっと……穴を開けたのが主であるなら尚更です」


 それを零はキッパリと断る。侵入者がその穴を利用するのは問題であるのだが、館の主が仕掛けたのであるなら、塞ぐ事は許可出来ないようだ。


「そんな事する必要はないでしょ。簡単な事よ。隣の部屋の鍵を私達に寄越しなさい。客室の鍵は最初から開いてるのだから、鍵を持っているのはアンタでしょ」


 穴を塞ぐ事が無理なら、部屋自体を閉じればいい。


 客室は衣装室や薬室等とは違い、鍵は掛けられていない。謎解き用に隠されてはいない証拠だ。となれば、所持しているのは一人しかいない。


 従者の部屋の鍵も零が所有していた。


「確かに私が持っていますが」


「ディアナの部屋の鍵も受け取れるのなら、空いてる客室の鍵も問題ないわよね。塞げないのなら、それぐらいはさせてもらわないと。それとも、アンタも私達に何かするつもりだったわけ?」


 零は侵入者の存在を主から聞かされていない。それはメアリの感視からも分かっている。


 だが、穴に関しては知らされてないのは、感視を使ってない以上、嘘か本当なのかは判断出来ない。


 それすら断るのであれば、侵入者ではなく、主の指示で零が何かをする可能性もある。


「いえ!! そんな事はありませんよ。隣の部屋の鍵を渡して、疑いが晴れるのであれば。勿論、キス様だけでなく、メアリ様にも」


 零は一度は断るような雰囲気を出していたが、キスの言葉で、すぐに反応を切り替えた。


「……それは助かりますが、主に……ゴールド=ゴールに許可を取らなくてもいいのですか?」


 零が客室の鍵をポケットから取り出し、キスとメアリに渡した。


 それを受け取る際、メアリは疑問を口にする。


 その穴が主の思惑に関係があるのであれば、零が簡単に許可出来るものではないはず。


「大丈夫です。鍵に関しては私に一存しています。主に疑いを持たれるわけにもいかないので」


「それは良かった。主に叱られる事はないのですね」


 メアリは零が主に怒られないかを心配していたようだ。


 カイトはメアリから鍵を渡され、隣の部屋の鍵なのかを確認。勿論、キスも七に鍵をかけるように指示するのだった。

 

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