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繋がり説

「アンタは客室と繋がっている事を知ってたわけ?」


 キスは三と零の会話を中断させて、時計があった場所に穴がある事を知っていたのかを問い詰めた。


「全く知りませんでした。私もここに来て、そこまで経っていないので。主が仕掛けたのは間違いないとは思いますが」


「でしょうね。侵入者にそんな事をする時間はないだろうし。アンタに教えてないだけど、侵入者と繋がってる説が浮上してくるわよ」


 メアリとカイトの二人も自室から出て、キス達の会話に加わる。


 あの穴を開けたのは侵入者ではなく、館の主である事は間違いない。一箇所だけならともかく、他の客室もそうであれば、そんな事をする時間はない。


「その穴を利用しようにも、その存在を侵入者はどうやって知ったのかです。もしかしたら、アルカイズ様の部屋に侵入者した際、見つけたのかもしれませんが……」


 侵入者はアルカイズの部屋に三の人形を置いただけでなく、部屋を調べたのか。


 鍵の魔導具は壊されていたが、他の魔導具が奪われたわけでもなく、荒らされた形跡があれば、三もその事をメアリ達に伝えるはず。


『謎解きの一つに使うつもりだったのか。もしくは、覗き見する事で動向を確認したかったのか。館の主が何かをするつもりだったのは明白だ。部屋の隣を使わせなかったのも納得出来る』


 部屋を前と横を空けるのは魔法使い達に配慮したためだと思わせて、実は違っていた。


 この仕掛けを使用する場合、その場に魔法使いがいては邪魔でしかない。


 もし、魔法使い同士の争いが許可されていたのであれば、話は違っていたのだろう。それを見つけた者が、不意討ちを仕掛ける事も可能だからだ。


「キス様。確認したところ、メアリ様の部屋同様の仕組みになっていました。隣の部屋に手がかりがあるのか。それはまだ調べてはいませんが」


 ものの数分で七がキスの部屋から戻ってきた。


 案の定、キスの部屋にも隣の部屋に続く穴が時計で隠されていたようだ。


 隣の部屋を利用したのなら、何かしらの痕跡があるかどうか。


 それを調べる指示を七は待っているかのように見える。


「……それはいいわ。匂いをコイツが確認しても、魔導具か何かは流石に放置してないでしょ。隣の部屋が使われたと分かっただけで、今は十分よ」


 キスは調べるのを却下した。隣の部屋が使われたのは、カイトが匂いを嗅ぎ付けた事で分かっている。


 それ以上の痕跡、侵入者に繋がるヒントがあるかどうか。魔法が使われてないのなら、誰でも可能なのだ。


「勿論、隣の部屋を放置するわけにはいかないわ。同じ手を何度も使われるのは癪だし、覗き見されるのはもっと嫌だから」


 とはいえ、繋がってる穴を何度も利用されるかもしれない。それを阻止する方法はあるのか。魔法で塞ぐのもあるのだが。

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