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従者の部屋

『さて……どうする? 二階は彼が探索するつもりだ。同行して、一緒に行動するのもいい。だが、キスに報告される可能性はあるか。こちらは一階を見て回るか、もしくは彼女を様子見しておくかだな』


 二階は赤従者が探索を開始している。カイトが同じ行動をしても、彼は咎めない。同様に主の命令に従ってるだけと思うだけだろう。


 とはいえ、キスの耳に届く可能性はある。先程の出来事もあり、監視されてるとキスが受け取れば、面倒事になるのではないか。


 それを考慮したのか、カイトが選択したのは一階。


 赤従者が出来るのは、部屋や物が置かれてる位置の把握。部屋の中に入る事や物に触れる事は安易には出来ない。


 更に言えば、探索を従者に命じるのは、キスに限った事ではない。


 ディアナやアルカイズも従者に指示したとなれば、自然に従者同士で監視する事になる。


 一階、二階のどちらを選んでも同じ事になる。


 それなら、少しでも単独で探索可能な一階をカイトは選んだ。零が食事の準備をしている以上、調理場からは出てこないはず。


 その間に死神が用意した地図と、その場所が符合をしているかの確認。


 カイトは先程見れなかった地下一階の地図を表示する。それはほぼ空欄に等しく、真っ白に近い状態だ。


 それだけではなく、一階に繋がる階段の位置も分からない。一階の地図からも、地下へ続く箇所が見当たらないでいる。


 メアリ達の記憶を元に死神は地図を作ったわけだが、誰も階段を使わなかったようだ。下に行くための方法があったとしても、地図に反映されてないのはおかしい。


 それがないのは、意識を失った状態で連れて行かれた。そこで閉じ込められ、その人物が死んだ可能性があるからじゃないのか?


 カイトは一階に降りて、まずは従者の部屋を調べる事を選んだ。


『そっちを選択したのか。零の事も気になっているようだったが。まずは安全だと踏んだ場所から、地下の隠し階段がないかを調べるわけだな』


 カイトが先に従者の部屋を調べる理由は、安全が確保された場所だと踏んだからだ。他の従者達が来るのを待つためではない。


「それもありますが、彼女がいない間でなければ、調べるのも難しいかもしれないですから」


 従者は全員が同じ部屋。大部屋が用意されていて、そこは零が休む場所でもあると、本人が告げていた。


 調べるとすれば、彼女がいない時の方がいい。更に言えば、主達が寝た後、従者全員がこの場所に集まれば、余計に調べるのは難しくなるだろう。


『確かに……従者の部屋は彼女の部屋でもあるのだから、安全は保証されてそうだ。物に触れても問題ないだろ』


 従者の部屋には自由に出入り出来ると、零も言っていた。従者にとって危険な物は置くはずがない。メアリ達に用意された部屋のように、物が何も置かれてないとも考えられる。


 カイトは従者の部屋の扉の取手に手を掛けた。何の変化もなく、鍵も掛かってない。後は内側に開くだけなのだが。

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