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「まだディアナの遺体を発見して、一時間程度しか経ってないわね。侵入者も流石にまだ動かないでしょ」


 メアリ達が次の行動で最初に選んだ行き先はディアナの部屋。


 遺体の確認と鍵の回収。鍵があった場合は、部屋を閉じる事に。


 これはディアナの体を十のように消失させないため。閉めた状態になっていれば、侵入者がもう一度入った事を知る事も出来る。


「そう思わせて……十の死体が消えた事もありますから」


 メアリは一度その状況を知ってるが故に、心構えが出来ている。


 不可能に近い状態でそれが起きれば、精神的なダメージは大きくなる。それほどの魔法使いの力があるからだ。


「……今回も僕が開けます」


 前回同様、カイトがディアナの部屋のドアを開ける役割を担う事に。


『あの発言があった事を考えると、七にドアを開けさせたくはないか』


 七に関しては、別行動を考えていたのだから、この部屋で何かをしようとした疑いがある。


 カイトは彼よりも先に行動する事にした。


「七もいいわね」


 キスもそれを察したのか、七が立候補をするのを止めた。


 メアリがカイトに命令したと思ったのかもしれない。彼女としては、下手に疑うを持たれたくはないはずだ。


「お願いします。壱が開けてください」


 メアリも壱の判断を尊重して、ドアを開けるように命令した。


「開けます」


 カイトはドアノブに触れる。先程同様、鍵は掛かっていない。手や体に違和感はなく、罠が用意されてもいなかった。


「ちゃんとディアナの遺体はあるわね。動かされてもないわ。指の位置も変わってないもの」


 カイトがドアを開けて、何事もなかった事を確認した後、キスがズカズカと部屋の中に入っていく。


 ディアナの遺体は変わらず部屋にあった。ディアナの体から広がる血の跡もあるが、彼女の指が僅かに指している位置が同じだった事から、誰かに移動されてないと分かる。


 その指が指しているのは幾つ物記号が描かれた表。◯や▲、☆や✕、■、▽、◇、≈、≡等が色々と表示されている。これはディアナが死ぬ前、部屋を確認した時にもあった。


 侵入者が用意した物ではないのは確かだ。


「私には全然意味が分からないのだけど、魔物を調べるのに使ったのかしら」


 キスもその意味は分かっていないようだ。回復魔法や予知魔法等の未知の魔法があるように、全員が同じ魔法の使い方ではない事もあるようだ。


『ダイイングメッセージというのが、他の世界には存在するのだがな』


 死神はボソッと口にする。


「それは一体何ですか? この表の意味が分かったんですか!?」


 この世界にダイイングメッセージという言葉はなく、カイトは死神が答えを知っていると勘違いしたようだ。


『違う。ダイイングメッセージとは、殺された相手が何かしらの方法で犯人を教えようとしている事だ。この場合、あの表に何か意味があるのかもしれないが』


 ディアナが示すとするなら、彼女が招き入れた相手だろう。

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