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確認

『館の主の返事が来るまで、彼女の遺体を放置するのか。君は忘れていないだろうな。館には誰の死体も無かったのだろ? それが何時消えるのかも分からないんだぞ』


 現に十の死体はその場から消えている。


 それだけではなく、本来起きた事件の後も死体は発見されていない。


 メアリやキスの言葉通りであれば、死体はあるべき場所へ返されるはず。


 だが、メアリの死体はカイトの元へ戻って来なかった。ディアナやアルカイズ、キスの死体も同じ。


 ゴールド=ゴールがそれをさせなかったのか。敷地内に死体が埋まっていたのかは、今となっては分からない。


「……メアリ様。ディアナ様の遺体をもう一度確認しておくのはどうでしょうか?」


「……確かにそうですね。ディアナ様の従者が殺された時も、一度は見ていたのにも関わらず、消えていました」


 十殺害は鏡越しになるが、彼が刺される場面を見ている。それが僅かな移動時間で消えているのだ。


 今回もメアリ達が休憩を取っている間にでも、死体が消えていてもおかしくはない。


「その場合、私達全員が無実だという証明にもなるでしょ。侵入者が存在するのも確実ね」


 メアリとカイトの会話に、キスが割って入る。


 二人は協力関係を結んだわけだが、ディアナと十殺害を侵入者の仕業だと完全に絞り込む事は出来ない。


 メアリやキスも互いの行動を見ていない。魔法使い同士の争いが禁止されても、僅かながらに疑う面もある。


 だが、ここでディアナの遺体が消えた場合、この場に全員、アルカイズ以外が集合しているのだ。


 従者も共にいるのだから、メアリとキスは本当に十、ディアナの殺害に関しては無実だと判断出来るのではないか。


「良いじゃないの。それも確認するわ。お互いに潔白が証明される事になるわけよ」


「そうですね。ですが……」


『侵入者がすでに館内にいる事になる事になるな』


 勝手に死体が消えるわけではなく、この間に侵入者が動いてる事になる。


 ただし、死体を簡単に消せるかといえば、そうではないだろう。


 侵入者は魔法を温存している感じがある。更に魔法を使う事で見つかる可能性も高まる。


 危険を冒してまで、死体を消す理由があるのかも不明。


 そんなところがあれば、犯人を知る情報ぐらいか。それを全員が見落としている事になる。


「ディアナ様の確認を一番始めにしませんか? 遺体があったとして、床に放置するのは忍びません。せめて、ベッドの上に寝かせましょう」


 メアリは言われなくとも、キスが侵入者の存在を怠らないと考え、出過ぎた言葉を言うのを控えた。


「あの状態のまま、部屋から出てきたからね。彼女が持っている鍵は、私達が貰ってもいいわけ?」


 ディアナが所持しているのは自室と衣装室の鍵だ。両方共に鍵は開いている状態だが、侵入者に奪われるよりかは、メアリ達の手元にあった方がいいだろう。


 勿論、彼女の死体が消えてなければの話だが。

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