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方針

「ディアナの死は本当に不可解ね。けど、彼女が殺されたとなったら、私達も狙われる可能性は高まるわ。これから、どう行動するかよ」


 キスは七が持ってきた茶を口にして、一息吐く。


 ディアナの謎の死だけを考えていたら、埒が明かない。メアリとキスは次にどう動くのか。


「まずは従者の部屋と私の部屋を調べるのですよね。それから……彼女が見つけた部屋を見るのもあります」


「確か……薬草とかがある調合室ね。見るのは良くて、私達が謎解きが出来るのは明日から。アルカイズが生きてたら別だけど」


 アルカイズが持っていた鍵で開いたのが薬室。謎解きは彼次第ではあるが、毒薬を借りる事が出来るかを、館の主に頼んでいたのではないだろうか。


「そうよ。魔物対策のために毒薬を借りるのはどうなったわけ? アンタも眠らされたわけだけど、頼んではいたのよね」


 零がカイト達と従者の部屋に集まった時以前に、ゴールド=ゴールに頼む時間はあった。


 ただし、その返事を受け取る時間はあったのか。


 調理場には一緒に三がいた。返事の受け取りは内緒にしておくべきではないのか。


「はい。館の出入口の鍵を調べに行った時、了承を得ました」


 零は館の出入口を調べに行った時、別行動を取っていた。その時に返事を得る事は可能だろう。


「それは良かった。私の部屋を調べ終わった後にでも宜しいですか?」


 メアリは三に話を振る。三は主であるアルカイズ捜索を続けるはず。その時間を少し潰す事になるからだ。


「約束しましたので。そこまでは行動を共にしても構いませんでしょうか」


「構わないわ。別行動をして、アンタを捜しにいくのも面倒だし。侵入者に殺されて、鍵を奪われたら最悪だし」


 キスは三の同行を了承。三の人形はすでに見つかっており、いつ狙われてもおかしくない。その時に鍵を奪われた場合、侵入者が毒薬を得る事も出来るわけだ。


「……じゃなくて!! 行動というか、方針ね。アンタは謎解きと侵入者捜索をどちらを優先するかよ」


 ゴールド=ゴールの魔法を継承するためには謎解き、彼の居場所を見つけなければならない。それも一週間の期限がある。


 侵入者捜索の方に力を入れれば、期限に間に合わない可能性が生まれてくる。


 だが、侵入者の存在を疎かにすれば、自身の命も危なくなる可能性もある。


 どっち付かずは謎解きや侵入者の罠に嵌まるかもしれない。


「私は……謎解きを優先します。私には回復魔法が必要なんです。もしかしたら、侵入者の狙いはディアナ様だけだった事もありえます」


「確かにそうね。アルカイズの姿は見えないだけで、従者は生きてるから。殺されたのはディアナとその従者だけだし」


 メアリは侵入者捜索よりも、謎解きを優先。


 アルカイズ自体が簡単に見つからないのだから、侵入者を捜すのは容易ではないのもあるだろう。

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