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該当者なし

「残念だけど、ないわね。私達は魔法を継承するためにこの場にいるのよ。ディアナもその事は誰にも伝えないわ。仮に知り合い、協力者だとしても、最初に自身の従者を殺すのはおかしいでしょ。従者が使い捨てだったとしてもよ。館の罠で死ぬ可能性もあるんだから」


 メアリ達がこの館に来たのはゴールド=ゴールの魔法を継承するため。おいそれと他の魔法使いに教える事はしない。協力関係があったとしても、裏切られる可能性があるからだ。


 それが回復魔法と誰も習得していない魔法であるのなら、尚更だ。


『メアリも本当は分かっているはずだ。該当する人間がいないからな。十を殺すのも狙って出来るものじゃない。魔導具で移動したのが、君の可能性もあったのだから』


 十の人形があったからこそ、そちらに目が行きがちだが、鏡の選択次第ではカイトが殺される可能性があったかもしれない。


「……そうですよね。謎が深まるばかりですよ」


「一旦、この部屋から出るわよ。食堂に行って、気持ちを落ち着かせるの。アンタ達はお茶の準備をしなさい」


 キスとメアリはディアナの部屋をある程度調べた終わったところで、気を休ませるために食堂へ。


 零はキスの指示通り、調理場に行き、お茶の準備をする。それを主のいない三も手伝う事に。


「はぁ……寝起きから最悪の気分よ。死体があっただけ、モヤモヤはせずに済んだかもしれないけど。お茶に合う甘い物もあれば嬉しいわね。メアリも貰っておきなさいよ」


 キスは調理場に向けて叫ぶ。疲れた脳には甘い物が欲しくなるのだろう。


 彼女の横に立っていた七も調理場へ向かう。二人の糖分となる物を取りに行くつもりだ。


「壱はここにいてください。人数が多くなっても、邪魔になるだけかもしれません」


 カイトはいつもの食事時同様、従者としてメアリが座る席の横に立っていた。


 七が調理場へ向かう時、カイトも一緒に動く素振りを見せた。


 零、三、七の三人が集まるのはこれで二度目。


 キスも七に指示したわけではなかった。彼女がそれを止めなかったのは、従者の役目の一つでもあるからだろう。


 だが、メアリはディアナの死んだ事で不安に苛まれているのか、カイトを調理場へ行かせなかった。


『彼女達に関しては私が聞き耳を立てる事にしよう。それでも限界はあるが。君は二人の会話に集中してくれ』


 カイトが調理場へ行けない分、死神が聞き耳を立てる事で補う事に。だとしても、距離が離れる分は完璧に聞き取れるわけではない。


「この後はどうするかもあるんだけど、まずは気になった箇所を整理はしておかないとね。従者達からの声も聞いたわけだし」


 食堂に着くまでの間、カイト達がディアナの部屋で気になった点をキスは聞き出していた。


「はい。気になった点を分けていきましょう」


 メアリもキスの提案に頷き、交互に気になった点を上げていく。その中には従者の意見も組み込まれている。

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