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無反応

「ディアナ? どうせ、魔物の事を調べるのに集中し過ぎてるんじゃないの? 寝てるかも怪しいでしょ。私は睡眠を優先したからね」


 キスはディアナの事を心配はしていないようだ。実際、彼女は調べ物に集中し過ぎで、夕食に遅刻している。


「私もアルカイズ様捜索後、少しだけ調べただけで、寝てしまいました。魔法を使われたわけではりません」


 メアリとキスは魔物の体毛を調べはしたものの、途中で眠りについたらしい。


 とはいえ、カイト達みたいに強制的ではないようだ。魔法で眠らされた場合、二人であれば気付きはするだろう。


「ですが、この状況です。ディアナ様にも伝えておくべきだと思います。従者の部屋を調べるのはその後でも良いのではないでしょうか?」


 カイトがここへ到着する前に、キスとメアリは従者の部屋を調べるという話になっていたようだ。


「構わないわよ。そっちの方が楽出来そうだし。どうせ、後から調べたいと言いかねないわ。声を掛けるのはアンタがするわけ? それともメアリ?」


「それは私が」


「私がディアナ様に声を掛けます。ディアナ様が寝ていた場合、無理に起こしたと叱責されるかもしれません」


 零がディアナを起こすつもりだったが、メアリがそれを遮り、声を掛けた。


 自身の従者でもない相手に起こされるのは、理由があったとしても、互いに嫌なはず。


 立場が近いメアリが起こした事に対して説明すれば、丸く収まる。


「……それではメアリ様にお任せします」


 零がメアリに譲るのは、魔法使いの指示だからでもある。主でなくとも、魔法使いからの命令は従うのが常だ。


「メアリ様。それでしたら、僕がドアを」


「大丈夫。ノックして、声を掛けるだけです。何か起きる事はないはずです」


 侵入者の警戒のため、ディアナは独自で鍵を掛けているだろう。開けるためには魔法を使うか、内側にいるディアナに開けてもらうしかない。


 ドアをノックしたところで、何か起きる事はないはず。


「ディアナ様、起きてください。メアリです。従者の部屋で異変が起きたようです。一緒に調べに行きませんか」


 メアリはドアをノックして、ディアナに声掛けをする。一度目は返事がなく、それを二、三度繰り返した。


「流石にこれだけ声掛けして、無反応なのはおかしいでしょ。すでに部屋から出たとか?」


 集中し過ぎや寝ていたとしても、何度も声掛けをすれば気付くはず。


「ディアナ様には従者がいません。部屋から出るには理由があると思いますが」


 ディアナの従者である十はすでに殺されてしまっている。次の行動もメアリが持つ鍵がどの部屋に使用するかを調べる事になっていた。


 単独で行動する可能性は極めて低いだろう。


『……分かっているな。一番最初に消える魔法使いはディアナのはずだ。今回もそうだとすれば……』


 死神はカイトに忠告する。この部屋を開ければ、ディアナの死体があってもおかしくないと。

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