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確認

「悲鳴とかないから、何事もなかったのかな」


 カイトと零は従者の部屋を出て、廊下に。そこからメアリ達の部屋がある二階へ。


 二階の一番側にあるのはアルカイズの部屋。何かあれば、三が声を上げているはず。


『何かあったとすれば、ディアナと考えるべきだ。実際、一番最初に消えたのは彼女だからな』


 メアリ達の記憶から、一番最初にいなくなるのはディアナになっている。彼女の従者である十は殺されているのだから、身代わりになる者がいない。


「そうだ。命約があるのなら、七は別に焦らなくても、キス様が無事なのは分かるようなものなのに」


 七自身が無事である以上は、キスが殺されてはいないはず。命約は距離の長さで効果を無くす事もあるが、そんな数時間では無理な話だ。


「あっ!! 壱は先に行ってください。入口の鍵を確認しないと」


 零は館の出入口の方へ足を向ける。見る限り、館の扉は壊されてはおらず、閉まった状態だ。


 鍵が掛かっている以上、魔法で解除するしかない。そうなっていた場合、侵入者は館内にいる事になる。そのための確認は不可欠だ。


「分かりました」


『君達が眠らさせた事で、すでに侵入を許しているはずだ。鍵がされた状態だとすれば……』


 館の出入口の鍵は魔物の死体を発見した直後に掛けられている。


 アルカイズ捜索時、一番初めにしたのが鍵の確認だが、解除はなされていなかった。


 館内にはアルカイズだけでなく、侵入者もいなかった。


「侵入者は館から一度も外に出なかった……という事になりますね。けど、見つからなかった」


 いるはずなのに見つからない。そうなってくると外にいると考えてしまう。


「か……壱!! 良かった。従者の部屋で異変があったと聞きましたから」


 カイトが二階に上がるとすぐに、メアリの姿が。七とキス、三も廊下に出ていた。


「アンタも主が心配でこっちに来るわよね。武器を持ってくる限り、ちゃんとしてるわ。しかも、七の武器も運んで来てくれるなんてね……しっかりしなさいよ!!」


「申し訳ありません」


 キスもカイトの存在に気付いた。それも七の武器を運んできた事で、彼女は七を叱咤し、叩いた。


 メアリの従者に出来て、自身の従者が出来なかった事に腹を立てたのだろう。素早く来ても、守る方法が無ければ意味がない。


 七はすぐにカイトから剣を受け取り、軽く頭を下げる。


「三の武器は零が持って来るので。今は館の入口を確認に行っています」


「アンタも忘れたわけ? アルカイズの居場所は分からないにしても……部屋に何か変わった事はあったの?」


 キスは呆れた様子で三を見て、部屋の状態を聞いた。彼女も三が急いで来る必要がないはずと思ったのだろう。


 もしくは、従者を眠らせたのがアルカイズの仕業とでも考えたのか。

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