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二人の行動

「そ、そうですよね。何が起きてるのかも分からないわけだし……私も持って行きます」


 カイトの言葉に零も武器を持つ。彼女が使っていたのは紫のベッドであり、そこに立て掛けていた斧を取った。


 カイトはナイフ、七が剣、三が槍。その三つとは別の武器を零は選んだようだ。


 斧は首切りのイメージがちらつくが、魔物の事を考えれば、間違った選択ではないのだろう。


「……三と七は武器を忘れているようです。持って行ってあげるべきですよね」


 七と三が休んでいたベッドの傍らに剣と槍が置かれたままになっている。慌てていたとしても、武器を忘れるのは致命的になりかねない。


「ですね。私と壱で片方ずつ持ちましょうか。槍は私が持ちますね」


 零は三が選んだ槍を斧とは反対の手で拾い上げる。従者に選ばれた事もあって、彼女は力持ちのようだ。


「僕は七が選んだ剣を。……ナイフはベルト部分に掛けておきます」


 カイトが剣を持つと、ズシリと重みがある。戦闘があった場合、片手で扱うのは難しいと判断した。


『もしかして、君が一番力が弱いのではないか。それは兎も角として……武器が使われた様子もなさそうだ』


 どれかの武器に血でも付いていようなものなら、従者同士で疑いを持ち、同じ部屋にいられなくなる。


『隠し通路があればだが、それは見つけられていない。ベッドに変化があるのも、三と七がいた場所だ。綺麗に直していないだけだろうな』


「そうですね。僕も記憶している限りは変わったところはないです」


『違和感があるとすれば、二人の行動だな。いや、従者としては間違ってはいないのか』


 零とカイトのベッドに変化がないのは、意識を失ったのが三と七の側にいたため。


 二人が意識を失ったのを確認した後、カイトと零も共に意識が途切れた。


 三と零は重なり合っていた事もあって、二人が目を覚ましたのも僅かな差だったのかもしれない。


 カイトも七の近くで意識を失っていたのにも関わらず、彼はカイトに何もしなかったのか。


 まずはカイトを起こして、状況確認をするのではないか。だが、主の心配がために、武器を忘れて向かう程だ。


「二人の武器を持ったし、メアリ様とディアナ様の無事を確認しにいきましょう。両手が塞がっているので、ドアは壱が開けてくれると助かります」


 従者の部屋のドアは閉まっている。死神に止められる前に、カイトはドアノブを回しており、鍵は掛かってない事は知っている。


 急いで部屋から出ていったのであれば、ドアが開け放しになっているのではないだろうか。


「分かりました。……零達が目を覚ました時には鍵は掛かっていたのですか?」


「はい。七が鍵を開けているところを見ましたから」


 鍵に手を掛けたのは七。部屋から出た順番は七が先で、後に三のようだ。


 三の場合、主であるアルカイズは行方不明になっている事から、七よりも焦る気持ちはなかった可能性はある。

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