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綺麗な死体

「そうなのよ。アルカイズが謎解きをしてないのは従者が言ってたわけだし、何の理由もなく、館の外に出るわけないのよね。けど、アルカイズがこの場に来ないの事実なわけで」


 キスもアルカイズが外には出てないと考えているようだ。謎解きの一つでもして、外に何かあると示していたのであれば分かるのだが、彼は謎解きをしていないのだ。


「この後、捜索に行くわけですから。魔物に関する話の続きをしましょう」


「す、すみません。私が余計な事を言ったばかりに」


 メアリはディアナとキスに頭を下げた。アルカイズ捜索よりもこの場で優先すべきなのは魔物の情報なのだ。


「大丈夫ですよ。魔物の攻撃により、命約の解除の可能性があるのも情報の一つになりますから」


「他にいるのなら……って、話なんだけどね。いるのなら、倒す方法よ。魔法以外になるんだろうけど、アレがどうやって死んだのか。見た感じ、外傷はなかったのよね? ちゃんと調べる前に消えたのは残念でしかないわ」


 魔物の死体は首を切る直前、体の一部を切り離す前に突如として消えてしまった。それ自体が謎に包まれた話なのだが。


「肉じゃなくても、血でも得られたら良かったのですが。魔物の体を動かすまでには至らなかったので、その面に傷があったかもしれません」


 魔物はうつ伏せの状態だった。メアリ達は腹部を見れていない。そこに傷跡が残っていたかもしれない。ただし、血が流れている事はなかった。


「ですが、あそこまで綺麗な死体であるなら、戦闘が行われたとは思えません。あるとすれば……致死性のある毒。即時に死に至るものでなければなりません」


 遅効性の毒であれば、体を掻きむしるなり、何かしらの跡が残っていてもおかしくない。


 即時に死に至る物だったからこそ、綺麗な死体のままだった可能性もある。


「毒か。体毛からは出てこなかったけど、あってもおかしくないわね。今回、毒は持ち込んでないわ」


「それは私もです。それを持ち込んで、怪しまれたくありませんから」


 キスとメアリは自身の荷物に毒は持ち込んでいないようだ。その毒でゴールド=ゴール殺害を狙うと間違われるわけにもいかない。


「……調合室にあるのは薬だけではないでしょう」


 アルカイズが所持していた鍵で開いたのは薬室。それは治療のための物だけでなく、毒となる物も置いてあってもおかしくはない。


 解毒をするのにも、それを試すための毒も一緒に用意しないと駄目だからだ。


「なるほどね。それを調合室から拝借して、魔物にぶつけるわけね。そのためにはアイツら二人に頼まないと」


 キスが言っているアイツらというのは、食堂から出ていった零と三の事だ。


 零には毒があった場合の使用許可。三には薬室の鍵を開けて貰わなければならない。


 謎解きをしなければ、中の確認をしていいと三は言っていた。

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