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倉庫の謎

 従者達がカイトの方に目を向ける。カイトの気配を感じ取ったわけではない。彼女達は階段付近にいた事もあり、軋む音に反応しただけ。


「主のために軽食を取りに来たのですが……すみません、三人で何の話をしているのですか? 出来れば、僕も聞いても構いませんか?」


 自分以外の従者が集まっていれば、カイトじゃなくても気になるはずだ。


「丁度、彼女に何があったのかを説明していて、倉庫へ武器を取りに行くところです」


 先に答えたのは零。彼女は三に説明すると言っていた。確かに三は武器を所有していない。今から行くという言葉に嘘はなさそうだ。


「それだったら、彼は何故一緒にいるのです? 零に何か聞くように主に頼まれたのですか?」


 零と七の両方に尋ねる。二人が顔色を窺うような態度であれば、何か良からぬ事を考えていると疑うのだが。


「倉庫で確認したい事がある。謎解き関連という事で、主から許可を貰っている」


 七が今所持している武器は剣ではなく、ナイフ。キスが倉庫で受け取ったナイフだ。これを選んだという事は、あのランダムに配置されたナイフの位置に何か意味があったのだろうか。


「私としても謎解きを邪魔するわけにもいきませんからね。丁度、彼女を案内する最中なので、彼の同行を許しました。気になるのであれば、貴方も来てくれて構いませんよ」


「こちらも問題ありません。ですが、あの部屋の謎解きをするのは主のキス様と私です。答えが分かっても、教えるつもりはないので」


「鍵を所有してる者の特権です。私は武器を渡して貰えるだけで十分。そちらの謎解きに対して、聞くつもりはありません」


 七の言葉をカイトではなく、三が答えた。彼も両方に言ったつもりではあるのだろう。


 鍵所有者が、その部屋の謎解きをする一番の権利があるのは当然。下手に協力して、身を滅ぼす可能性もある。


 ある意味、十がそれに該当するのではないだろうか。


「それはメアリ様もキス様の言葉に了承していました。そちらが諦めるまでは僕達は何もしません」


 とはいえ、倉庫にある謎関連が何かは気になるところである。


 従者だけだが、四人もいれば襲われる心配はない。一緒に行けば、倉庫にある謎が分かるかもしれない。


『君に任せる。だが、時間が遅くなれば、メアリが心配するだろう。行くのなら、事前に言っておくべきだ』


 軽食を作るのなら、果物で構わないとメアリは口にしていた。時間を掛けた場合、彼女が部屋から出て行く事も考えられる。


 主に伝えに行くにしても、零達をその間待たせる事に。


 従者にとって時間は貴重なのはカイト自身も身に沁みている。


 メアリの安全を取るか。零達と共に倉庫をもう一度調べるか。

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