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ナイフ

「斧や剣も女性が扱えるよう、小さいですね。従者にあった物を用意したのでしょう。ナイフを壁に飾っていますが、置く高さの位置が違うようですし」


 ディアナは館の主が従者其々に用意された武器だと考えているようで、魔物対策とは思っていないだろう。


 斧や槍、剣は一定の高さ、間隔で置かれているのだが、ナイフだけが別のようだ。


 五本の真っ直ぐな横線が引かれた壁に別々の高さでナイフが置かれている。持ち手部分の先が丸くなっているのもばかりで、刃先が上向きもあれば、下向きもあり、刃自体が特殊な形をしているのもある。


 これは館の主がナイフを収集するのを趣味としているとも考えられるかもしれない。


「見た事もない形のナイフもありますし、単に集めていた可能性もありますね。他の斧や弓矢は一般的な形のようですし」


 メアリもナイフだけが特徴的な形をしているように見えたようだ。他に武器は小ぶりなだけで、形は至って普通。


 ノコギリやハンマーもある。これは武器というより、工作用の大きさだ。近くに道具箱があり、ネジや釘が入っている。


 他に庭の手入れのためのホースやジョウロ。肥料の入った袋。暖を取るための木材も置いてある。それを縛るためのロープも近くにある。


 この倉庫は武器庫のように見えたが、よく確認すれば、従者が館の管理をするための道具が置かれていると分かる。


「小さいとはいえ、斧や剣等は扱いが難しそうですね」


 メアリは斧を両手で持ってみるが、扱いにくそうだ。


 ディアナも剣を手に持ち、軽く振ってみるが、反動で体が前に行ってしまう。


「これは……扱い慣れなければ、人を殺すのは厳しいですね。当てるのも一苦労します」


『魔法使いは従者に頼っている分、道具を使うのは慣れていないか』


 侵入者が魔法使いである場合、武器に扱い慣れているとは思えない。魔導具でないのなら尚更だ。


「なるほど……剣や槍は無理でも、斧やハンマーであればなんとか使えそうです」


 カイトはメアリから斧を渡され、動かしてみる。従者の仕事で薪割りをした事もあり、工作等をしていれば、斧やハンマーであれば扱えそうだ。


 弓矢は狩りを得意とする従者がいたら使えるだろうが、剣や槍はどうだろうか。


 カイト自身、扱えないと分かっているようだが。


 従者でもそうなら、魔法使いで武器を扱えるのは稀だろう。


「使えそうというのは……人を殺せるという事ですね」


 倉庫に来た理由として、この中にある武器で人を殺せるかどうか。人形のように三やアルカイズを殺害出来るかどうかだ。


「はい。否定はしません。それに首を切るだけであれば、殺した後であれば……」


 魔法や別の武器で殺害した後であれば、魔法使いでも斧で首を切る事は可能かもしれない。

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