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社畜剣聖、配信者になる 〜ブラックギルド会社員、うっかり会社用回線でS級モンスターを相手に無双するところを全国配信してしまう〜  作者: 熊乃げん骨
第六章 田中、コラボするってよ

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第10話 田中、料理配信する

「それでは準備もできましたので、料理配信を開始したいと思います。よろしくお願いいたします」

「わー! 楽しみです!」


 俺がカメラに向かって挨拶すると、星乃はパチパチと手を叩きながら場を盛り上げてくれる。俺一人だと絵面が地味になるからいてくれてとても助かる。


"いえーい!"

"料理回助かる"

"急にほのぼのとして草"

"ダンジョン配信で飯回するのはお前くらいだよ"

"この前真似した配信者いたけど、即行吐いてダウンしてて草だったわ"

"常人が真似したら(アカン)"

"ゆいちゃん楽しそうだけど、絶対ゲテモノ食う羽目になるぞ"

"まあ旦那の好みは早めに知った方がいいでしょ"


 俺達は今、ダンジョンの開けた場所にいる。

 近くには小さな湖もあって、落ち着ける場所だ。


 そこで俺はビジネスバッグの中から調理器具一式とテーブルを出した。いつどこで遭難してもいいよう、調理器具やテントなどの物は普段から持ち歩いている。


 さて、腹もいい具合に空いてきたしとっとと作り始めるとしよう。


「田中さんはなにか食材を持ってきたんですか?」

「いや? もちろんダンジョンで取れた物を食うぞ」


 そう言って俺はテーブルの上にドン! と大きな舌を出す。

 まだピクピクと動くそれを見た星乃は「ひっ!?」とかわいらしい悲鳴を上げる。


「こ、これって……」

「ああ、ミミックのタンだ。食うのは久しぶりだな」

「あはは……そういえばこれ取ってましたね……」


"知ってた"

"やっぱグロいな"

"ひえっ"

"オエーーーーー!"

"食ったら呪われそう"

"まだ動いてて草、生命力高すぎ"


 ミミックのタンの評判は散々だった。

 中々取れないレア食材なんだけどなあ。


 まあ魔物料理に馴染みがなかったらグロく感じるか、こんなデカい舌、地上の動物は持ってないしな。

 とにかく調理するとしよう。


「ミミックはAランクのモンスターだ。含有魔素量も多い。知ってると思うけど魔素許容量を超える魔素を摂取すると中毒症状を起こしてしまう。俺は大丈夫だけど、星乃の体にはキツいかもしれないな」

「え、じゃあ食べなくてもい……」

「ああ、だからちゃんと下処理して魔素量を減らすから安心してくれ」

「あ、え、はい。ありがとうございます……」


 星乃は言いながら表情を暗くさせる。

 いったいどうしたんだろうか?


"露骨にショック受けてて草"

"綺麗に上げて落とされたなw"

"しかし 回り込まれて しまった!"

"あきらめろん"

"何事も経験やで"

"しかし下処理ってなにするんだろ"

"前は変なキノコで魔素を排出してたよな?"

"でも今回の配信中にあのキノコは取ってなかったぞ"

"なんにせよ楽しみや"


「それでまずはなにをするんですか?」

「まずは血抜きだ。魔物の血には魔素が多く含まれてる。これを抜けばかなり魔素は減る」


 そう言って俺はテキパキとミミックの舌を解体し、血を抜いて持ってきた水でよく洗う。近くの湖の水を使ってもいいけど、ああいう水はスライムが擬態しているものの可能性もあるので、今日はやめておく。

 スライムの中には厄介な寄生型もいるからな。俺の胃酸なら溶かせるけど、星乃は分からない。


"めっちゃ手慣れてて草"

"解体すると普通の肉に見えるなw"

"結構うまそうやん"

"確かに"

"腹減ってきた"

"お前らも感覚おかしくなってるぞw"


「次に沸かしておいた湯で少しだけ下茹でする。半生くらいで大丈夫だ。そうすることで更に魔素を薄めることができる。これだけやれば星乃でも食べられるくらいには魔素が薄まる」

「そ、そうなんですね……」


 星乃の補助を受けながら、俺はタンを下処理していく。

 タンが終わったら、次はロケットブルの肉だ。こっちはBランクのモンスターなので、血抜きと水洗いだけやればいい。最後に焼くからその時に魔素も抜けるしな。


「りり、りり」


 作業をしていると胸ポケットからリリが出てくる。

 そしてテーブルに飛び移ると、「てけっ!」となにかを要求するように体を動かす。


"リリたん来た! これで勝つる!"

"当たり回"

"かあいいなあ"

"ふんぐるいふんぐるい!(興奮したような恐ろしい文字列)"

"謎の人も喜んでるで"


「腹が減ったのか? 少しだけ待っててくれ」


 俺はそう言いながらロケットブルの肉を一切れだけリリに渡す。

 するとリリはくぱっと口を開いてそれを丸呑みにする。


「りり~♡」


 嬉しそうに体を揺らすリリ。

 満足したのかテーブルでごろんと横になると、うねうね動きながら俺のことを観察し始める。


"はあはあリリたんかわいいよリリたん"

"なんてセクシーポーズ……!"

"サービス精神旺盛過ぎる"

"ちょっと性的過ぎるだろ……! えっち罪で逮捕やぞ"

"Hentai紳士の多い配信ですね"

"リリたんはかわいいけど視聴者がキモすぎるw"


 俺はリリが大人しい間に一気に作業を進める。

 肉を切り終え、最後にダンジョン内で拾ったキノコや野菜を切って盛り付け、完成だ。

 ダンジョン食材のBBQ盛り、こりゃごちそうだぞ。


"普通に美味そう"

"いや、これダンジョンで取れたものだって分からんわ"

"あかん、BBQしたくなってきた"

"どこに行けば食べられますか?"

"まずはダンジョンに潜ります"

"初手不可能で草"

"ダンジョン料理専門店……流行るでこれは!"

"食べれる人限られてるんだよなあ……"

"でもこれ、あのミミックだぞ? 本当に食べられるのか?"


【読者の皆さまへ】


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