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社畜剣聖、配信者になる 〜ブラックギルド会社員、うっかり会社用回線でS級モンスターを相手に無双するところを全国配信してしまう〜  作者: 熊乃げん骨
第九章 田中、結婚するってよ

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第9話 田中、脱ぐ

「なんでふんどしなんですか」

「なんでとはなんじゃ。昔から泳ぐと言ったらふんどしと決まっておるじゃろうが」


"草"

"いつの時代の人間だよw"

"でもふんどし似合いすぎw"

"よし、シャチケンもふんどしになろう"

"……ありだな"

"ふんどしブーム来るな"


 コメントには俺のふんどしを煽るものまで流れてくる。

 流石にそれは恥ずかしい。堂島さんはまだ似合ってるからいいけど、俺が履いたら面白くしかならない。


「先生のふんどし姿……悪くありませんね……」


 なにやら凛まで恐ろしいことを口にしている。

 一緒に住んで以降、前より積極的になってるんだよなあ。気を抜いたら襲われそうだ。普通逆だろうが。


「ふんどしは結構ですよ。俺ももう水着は着てきてますので」


 そう言って俺はスーツを一気に脱ぐ。

 その下から現れたのはふんどしではなく、ぴっちりとしたブーメランパンツ。俺は泳ぐ時はこれを愛用している。


"エッッッッ"

"ブーメランパンツで草"

"見え"

"おいおいおいおい"

"この社畜、肌みせて誘ってんのか?"

"同接めっちゃ伸び始めてて草なんだ"

"同僚の女子が急に叫んだんだけど、こいつ仕事しながら配信見てんだろ"

"お前も見てる定期"

"今日はサービス回だなw"


 水着姿になると急にコメントが爆速になる。俺の裸なんか見ても需要ないだろうに。

 ちなみに布面積が少ない方が泳ぎやすいからこれを使っているんだが……呪いの装備であるネクタイは外せないので、見た目が少し変態になってしまっている。


「さて、じゃあそろそろダンジョンに向か……なにしんてんだ凛」


 見ると凛が俺の方にスマホのカメラを向けながら爆速でシャッターを押しまくっている。しかも鼻からは血が流れているじゃないか。


「せ、先生、駄目ですよそんなに肌を晒しては、はあはあ」

「言ってることと行動が合ってなくないか?」

「ああ……なんとみだらな腕の筋肉……これも姉さんと唯に共有しなくては」


 夢中でシャッターを切る凛。……すっかり変態な子に育ってしまった。

 どこで指導を間違ってしまったんだろう。ちゃんと責任を取らないといけないな。


"凛ちゃん面白い子だなw"

"さすが嫁"

"嫁ーズに水着姿共有されるの草"

"わらわは!?"

"またしてもハブられるわらわに涙を禁じえない"

"まあわらわはスマホ苦手だから"

"ダゴ助は使いこなしているのにな……"


「おい凛、いつまで撮ってるんだ」

「……と、すみません。つい夢中になってしまいました。そろそろ参りましょうか」


 凛は何事もなかったかのようにそう言ってスマホをしまう。さっきまで鼻血を出していたとは思えない。

 彼女が魔対省の制服を脱ぎ去ると、一瞬で水着姿に変身する。白い色で、ぴっちりとした競泳水着みたいな見た目をしている。見た目こそ特別な感じではないが、きっと魔対省が作った多機能水着なんだろう。


"エッッッッ"

"今までアクの強い水着だったから安心感が凄い"

"これだよこれ"

"かわいい"

"顧客が一番求めているもののはずなのにコメントの勢い一番弱くね?"

"今までのが衝撃強すぎた"

"凛ちゃんスタイル良すぎる"

"薄い本が厚くなるな"

"こんな美人の嫁さんがいるなんて気が狂いそうになるほど羨ましい"


「先生、これを」


 そろそろ潜るかと準備運動していると、凛が小さな器具を手渡してくる。

 これはなんだ? ダイビングの時に口につける物に似ている気がするけど、管もボンベもついていない。


「これは?」

「魔対省が保有する水中用装備です。中にダンジョン産の植物が入っており、酸素を作り出してくれます。これをくわえていれば三日間は酸素に困りません」

「へえ、今はそんな便利な物があるのか」


 俺はそれをありがたく受け取っておく。

 これならダンジョン内が水で満ちていても大丈夫そうだな。


 さっそく咥えて潜ってみようとすると、堂島さんがにやにやした顔をしながら近づいてくる。


「どうした田中。それがないとダンジョンまで息が持たんのか? 情けないのう」

「……なに言ってるんですか堂島さん。そんなわけないじゃないですか。堂島さんこそいい歳なんですから意地張らずにそれ使って大丈夫ですよ」

「な……っ! ワシがそんな根性なしに見えるか! ほれさっさと行くぞ!」


"言い返されてて草"

"こいつら仲いいなw"

"大臣顔真っ赤でかわいい"

"萌えキャラかこいつら"

"いよいよだな、楽しみ"


「よし、行くか」


 俺たちは見送りの伊澄さんに会釈したあと、海へ飛び込む。

 目指すは海底200m。さっさと終わらせてみんなの待つ家に帰るとしよう。

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