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#作戦

#作戦


「あいつらどうかしてるぜ? Eクラスの冒険者に従って、何が出来るって言うんだよ?」

そのガルダーチームは、みんなの輪から離れた開けた場所で話を聞いていた。

俺たちは、あの後、半ばあきらめたガルダーチームとまだ諦めていない冒険者チームに真っ二つに分かれたのだ。

「私は何をすればいい?」

そんな事気にせず、リースは真剣な顔で俺を見る。

「これを出来る限り沢山、コピーしてくれ」

それは、畑でなっている農作物だった。

「分かったわ」

さすがに農作物のコピーは、あまり日持ちもしないし、かなり味も落ちるので、売り物にはならないらしいが、虫をおびき寄せるには問題ないだろう。

早速、リースは、渡された農作物をコピーして、台車に載せていく。

「アタイは何をすればいい?」

次にフニャールが真剣な顔をする。

「フニャールは、リースがコピーした物をこの畑の向こうに運んでくれ」

そこは畑から百メートル離れたところだったが、フニャールは次々に運んでいく。

「俺たちは何をすればいい?」

すると諦めていないチームの冒険者たちも真剣な顔をする。

「お兄さんたちは、フニャールが運んだ物を運んだ辺りに埋めてくれ」

「おっしゃ! 任せろ!」

そう張り切ると、その冒険者たちはその場所を耕し始める。

「こんなもんでいいのかい?」

俺がみんなに指示をしていると、アリサと他の女性の冒険者たちが戻ってくる。

「ああ、これでいい。そしたら、これで本物の畑をどんどん覆ってくれ」

そう言われると、アリサたちは、何枚ものビニールシートで小学校のグラウンド程の大きさの畑を覆っていた。

「これで何とかなればいいんだがな……」

俺は、もう少し時間が欲しかった。

なぜなら畑はここだけじゃないのだが、時間や、労力的に間に合わないという事で、バッタの進行方向にある畑だけに今回の作戦を実行する事にしたのだ。

「もっと人手があれば……」

「はははは! そんな事しても無駄だよ! この町は終わりだな! でも、食料なんて他の町から調達すれば何とかなるがな!」

「……」

「何とか言えよ! Eクラスの冒険者!」

「……俺も無駄なあがきだと思うよ」

「はは! やっぱりな! なら何で指揮を取る!」

「それは……俺の人生がそんなのが当たり前の人生だったからかな……」

「はぁ?」

そして、三日かけて準備は整った。

作戦名は、バッタを騙して、一網打尽だ。

その日の早朝、俺たちは、バッタが来るのを待った。

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