#バッタ
#バッタ
「いやーーーー!」
フニャールが悲鳴を上げる。
それは、害虫を駆除するランクCのクエストだったが、俺たちは、曲がりなりにも勇者のいるパーティーである。
だからどのランクのクエストも受けれるのだが、まだ新米だという事で、受付の人が安全で割のいい、クエストを紹介してくれたのだ。
いや、上手く押し付けられたと言った方が正確だろうか?
確かにこんな虫がいくらいようと命を落とす事はない。
だが……。
「一体何匹いるんだーーーー!」
さすがの金虫のフニャールも虫に発狂している。
それも仕方がない。
何千匹のバッタが町に向かって行進しているのだ。
毎年この季節になると、起きる現象らしいのだが、今年は格別で、気候が良かったせいか、いつもの数倍以上だ。
このままだと、あと三日で町の畑はそのバッタたちに食い荒らされるだろう。
俺たちは、他の冒険者たちと、網を使って、必死に捕まえているんだが、さすがの俺も気が狂いそうである。
そう言えば、この間のクエストの成果で、フニャールはCクラスに昇格していた。
アリサもCらしいが、俺は、当然Eだった。
まぁそれは、冒険者ギルドの受付で調べれば誰にでも分かる事なのだが、俺は、そんなの気にしない。
「こりゃー! 今年は、規格外やな!」
「このままじゃらちが明かないぞ!」
「もう俺は、ギブ!」
「休んでんじゃねー! 手を動かせー!」
他の冒険者も次々に倒れていく。
「一旦引きましょう! 俺に考えがあります!」
そんな中、俺は、声を上げた。
そこで俺たちは、慌てて町に引き返す事にした。




