#樹液
拳法が憲法になっていたので修正しました。
#樹液
「アタイの大林寺拳法ならあの大樹をへし折れるかもしれない……」
確かにこの三人の中では、一番攻撃力があるのはフニャールだろう。
でも、本当に大丈夫か?
あんなに太く大きいのだ。
俺が不安になるのも無理はない。
だが、そんな事で迷っている時間もない。
空が薄っすら明るくなり始めている。
このままだと後数分もしないうちに夜が明けるだろう。
そしたら終わりだ。
「俺たちはどうすればいい?」
「二人は厄介なツタを引き付けてくれ」
「分かった」
そう俺たちが答えると、フニャールが合図する。
すると俺とリースは、大樹を囲う様に攻撃したのだ。
せめて三十秒……いや、十五秒!
時間を作れれば、フニャールがやってくれる。
俺は、そう信じたかった。
だが、フニャールがあと一歩で大樹に攻撃が届くと思った瞬間、大樹は予想外の攻撃をしてきたのだ。
それは恐らく強酸性の樹液だった。
強酸性の樹液がフニャールめがけて、上の枝から降ってきたのだが、どうやらその樹液が光る洗剤の正体の様だ。
きっとその樹液が原因でタイガーフィッシュがこの川に集まってきたのだろう。




