#6.異世界
#6.異世界
『けて……』
え……?
『助けて……』
誰……?
『そしたら……あなたの願いを……』
俺がようやく目を覚ますと、そこは深い森の中だった。
「ここは……?」
(確か俺は、ボールペンで喉を刺して死んだはず……?)
それなのに喉に異常はなさそうだが、もしかしてここは天国だろうか?
それにしては生きていた頃と何ら変わりなく、風も感じる。
まるでさっきの場所から瞬間移動でもした様な気分だ。
でももしここが天国なら、天使か神様がいるかもしれない。
俺はゆっくり起き上がり、とりあえず人を探す事にする。
天国なら母さんがいてもおかしくないし、いつまでもここにいても仕方がなさそうだからだ。
「誰か―! 助けてー!」
すると少し進んだ所で人間らしき叫び声が聞こえた。
俺は間髪入れずに、その声の方向に走り出す。
「あはははは。ここは魔の森だぜ? 誰も助けになんか来ねぇ―よ?」
そこには見るからに豪華な装飾の馬車が盗賊らしき連中に囲まれていた。
だがまだ俺には気が付いていない様で、俺は咄嗟に木の陰に隠れるが、その時焦って小枝を踏み折ってしまう。
バキバキッ!
「誰だ!」
その音は小枝にしてはかなり大きく、大変お粗末な事にその連中に見つかってしまった。