#金目の物
#金目の物
俺たちは、明日朝早く場所を取るため、一緒に行動する事にした。
「本当にここがリースの家なのか?」
その流れで、フニャールをリースの屋敷に招待したのだが、その中で、フニャールが発狂する。
「そうよ。でも、私が建てた家じゃないけどね」
「そんなの関係ない! 住んでるだけで凄いよ! トイレが私の部屋よりでかいぞ!」
まるでお菓子の家を見つけた子供の様だ。
「気に入ってくれて何よりだわ」
「この壺……売ったらいくらになるんだろうな……?」
「さぁ?」
「フニャール?」
俺は、フニャール名を呼んだ。
「何だ? 俊彦?」
「ポケットに入れた物を出せ?」
「な、何の話だ……?」
そこで俺がフニャールの手をポケットから出させると、先ほど、部屋に無造作に置かれていた大きな宝石のついた腕時計が出てくる。
「な、何でこんな物が……?」
フニャールはとぼけていたが、俺が注意するのはこれで三度目である。
それにしてもフニャールは、本当に金目の物に目が無い。
さすが金虫のフニャールである。
「それよりそろそろ食事にしましょ?」
「そうだな」
「ビアンカ! ビアンカ!」
リースがそう叫ぶと、瞬く間にビアンカがやって来る。
「何でしょ? リース様?」
「私たちお腹が空いたわ。夕食にしてくれない?」
「かしこまりました」
案内されるままにダイニングに向かうと、そこには、驚く様なご馳走が並んでいたのだ。




